あがいた先で見つけた、カジュアル×モードの自分らしいバランス感 hodos annaさん #Z世代のスター発掘

自分の「好き」を見つめ直して、答えが見つかった

 

 

─そこから、SNSも順調に伸びたのでしょうか?

 

自分のセンスに多少自信がついた後も、SNSのブランディングや集客はなかなか上手くいきませんでした。前社にはアシスタントが私を含めて3人いたのですが、デビュー間近の頃はその3人で1列を使わせてもらっていて、日中もお客さまを呼べたんですよ。でも私は全く売上が立てられず、どうすればいいのか悩んだ時期がかなり長かかったですね。

 

お世話になっていた先輩に、「3カ月死ぬ気でやって、結果が変わらないなら打ち出しを変化させなきゃダメだよ」と言われていたので、本当に色々なことを試しました。ハイトーン、デザインカラー、ベージュ、ナチュラルなワンカラー。それでも結果が出ず、あるとき藁にもすがる思いでインスタのストーリーズに「私の強みってなんだと思う?」と載せてみたんですよ。

 

学生時代の作品を覚えてくれていた子達が「スタイリングの動きが好きだった」「巻き方が好き。あの感じは出せない」と答えてくれたのを読んで「確かに、最近あんまり巻いて動きを出すスタイリングはしてないな」と気づきました。

 

 

前社はモードな雰囲気のスタイルを作るサロンで、直線でライン感が強い、巻かなくても決まるスタイルがメイン。そこで2年過ごしたことで『スタイリングで動きを出す』という発想がなくなっていたんですよね。

 

先輩たちの作るスタイルは確かにかっこいいし、おしゃれだし、憧れる。でも、一度自分が好きなものを作ってみてもいいかもしれないと、久しぶりに巻いて仕上げたスタイルを作ってみることにしました。

その結果、私が作るコテ巻きのスタイリングの質感を求めてお客さまが来てくださったんですよ。わずかながらお客さまも増えて、日々コテで仕上げのスタイリングをするうちに「この質感をパーマで作れたらいいかも」と思うようになりました。

でも、前社はパーマに力を入れているお店ではなかったですし、私自身パーマに苦手意識があって、ちゃんと学ばないと、と思って。

 

そのタイミングで山下(hodos オーナー山下純平さん)のところに髪を切りに行って悩みを相談したら「最後は自分の直感を信じた方がいいよ」と言われたんです。その言葉に背中を押され、家に帰ってすぐに「面接を受けたい」とご連絡しました。

 

バズらない投稿にも意味がある

 

 

─hodosにはアシスタントとして入社されたんですか?

 

そうです。ただ、前社で「売上がつけばデビュー」というところまでカリキュラムを終えていたので、3カ月ほどでスタイリストデビューを果たしました。パーマ技術の習得は、モデル入客から始めて、実践の中で技術を磨き直していった形です。1年くらいで、どのレングスも自信を持って担当できるようになりました。

 

hodosに入ってからはSNSも少しずつ軌道に乗り、インスタを見てご来店されるお客さまも着実に増えていきました。

今は、ニュアンスのあるカラーやパーマをメインに打ち出しています。ターゲットのペルソナは、感度の高い女性たち。私の分析では、そういう方々は“かわいい”よりもかっこいい、モードな雰囲気を求めてる気がするんですよ。でも、前社で2年間モードの世界に身を置いたからこそ、自分が得意なスタイルがモードではないことにも気づいていて(苦笑)。私らしいと褒めてもらった動きのあるスタイルやカジュアルさの中に、どうやってモード要素を組み合わせてバランスを取るかはすごく考えています。

 

 

ファッションが甘いならヘアはちょっと攻めるとか、カラーを暗くする代わりにスタイリングはふわふわに巻くとか。その足し算引き算を、どのお客さまに対しても意識していますね。

 

─軌道に乗り始めてから、SNSも楽しさを見出せるようになりましたか?

 

学生時代からSNSの投稿にはこだわりを持っていたし、昔から楽しいとは感じていました。ただ、結果がついてこなかったときはやはり数字の評価を求めてしまう部分もあって、苦しさもありましたね。

今は、いい意味で反響の有無はあまり気にならなくなりました。正直に話すと、今でも100いいねすらつかないも投稿もたくさんあります。でも、別にいいと思うんですよ。

もちろんバズってくれたら嬉しいけど、本当に大切なのはバズったかどうかではなく、胸を張って自分が好きだと言えるスタイルを載せているかどうか。作りたくないものをアップしてお客さまが来てくださったとしても、自分も楽しくないしお客さまにも不誠実だと思うので、そこはすごく大切にしています。

 

 

─今後、どんな将来像を描いていますか?

 

私は、誰かと一緒に働く方が向いている気がするので、独立する予定はありません。1人で働くとインスピレーションを受ける機会が少なくなって、自分の可能性が小さくまとまってしまいそうな気がするんですよね。

hodosのスタッフは面白い人ばかりだし、みんなの好きなジャンルが全く違うからこそ、毎日が新しい閃きに溢れています。今いる環境に感謝して、これからも面白い仲間たちに刺激を受けながら、自分の技術を磨いて成長していきたいと思います。

 

プロフィール
hodos/スタイリスト
Ito anna

長野県出身。松本理容美容専門学校卒業後、都内トレンドサロンに入社。その後、表参道の個人店を経てhodosに活動の拠点を移す。コテ巻き風の洗練されたパーマスタイルや、絶妙なニュアンスのカラー表現で人気を集める。

Instagram:@_itoanna

(文/岩木日向子 撮影/松林真幸 MIKAN inc)

 

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