「美容師人生の絶頂期」をどう迎えるかは、20代にかかっている。 〜レジェンドが語る「成長する20代美容師がやるべき5つのこと」〜 第2回 DaB 八木岡聡

2つ目:目の前のことに一生懸命になれ!その積み重ねが輝かしい30代をつくる

 

 

20代のうちに「目の前にあることを、誰よりも目一杯やることができる自分」をつくってほしいですね。仕事は、全て自分の都合のいいように入ってくるものではありません。好きなことだけで埋めることはできないと僕は思います。だからこそ、今自分の前にある仕事を、誰よりも一生懸命できることはすごく重要です。

 

大人になると、少しラクをしたい、サボりたい、効率よくしたいとか、そういう気持ちが湧いてくるもの。コスパ・タイパという言葉が流行るくらいだから、今の若い子も同じなのかな。

 

我々の仕事には反復練習で身につけていく技術もあります。そこでオリジナリティを出す必要なんてないから、まずは先人たちの技術をそのまま真似することが大事です。工夫はいりません。お客さまとの会話なども同じです。話題や知識、語彙を集めて、それを操って素敵な会話ができるようになるまでには、繰り返しやらないと成長しないですよね。

 

とにかく、目の前のことを一生懸命にやること。その積み重ねが30代、40代に向けての土台になります。

 

3つ目:今ある技術が未熟でも、最大限にデザインする心意気を持て!

 

 

20代前半で技術が未熟であっても、今持っている技術で最大限にデザインしていく考え方を持つべきです。「もう少し、技術レベルを上げてからクリエイションしよう」と考える人もいるけれど、どんなに持っている技術が少なくても、クリエイティブな仕事はつくれます。

 

むしろ、僕自身は「技術は最小限でいい」と思っています。素敵なものを生み出す想像力はMAXにしておきたいけれど、それとつなげる技術は少なくてもいい。カットの練習中で、ボブしか自信がない人でも、素敵なものはつくれる。どんなに少ない技術でも、最大限に素敵なものを生み出すんだという姿勢のほうが大事なんです。

 

 

美容師の最終商品は、素敵なものを生み出し、感動を与えることなので、使わない技術をいくら身につけてもしょうがない。技術をたくさん身につけることより、目の前にいる人を可愛くすることを考えて、そのためにできることを見つけてください。

 

極端にいうと、技術が全くなくても目の前の彼女の髪の毛をちょっと切って上げるだけで可愛くすることだってできる。目の前にある全てのものに、少しでもよくなる要素を提供することがクリエイティブのスタート。プロの集団に入って優れた技術を見たり、知識をつけたりすると、髪を切ることが怖くなるかもしれないけれど、上手く切れなくたって、可愛くつくることはできる。クリエイティブって、実はすごく身近にあるんですよ。

 

クリエイティブコンテストの審査員をしているとき、参加者から「今日はクリエイティブなことができました」というコメントを聞くことがあります。僕からすると毎日がクリエイティブだから、日頃の目の前のものから、どうやって素敵に変えていくのか考える習慣をつくってほしいです。日々の中で、必ずクリエイティブの素養は育っていきます。

 

>4つ目:「決め技」が一つあれば、それが苦境を乗り越える力になる

 

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