お客さまが来てくれるなら、バズらなくていい。ONYX 郷家拓斗さん #Z世代のスター発掘

 

SNSでの競争がどんどん激しくなっている近年。デジタルネイティブ世代の若手美容師たちは、どんな武器を持って激戦を勝ち抜いているのでしょうか?

今回は、ONYX(オニキス)の郷家拓斗(ごうけたくと)さんが初登場です。デビューした銀座のサロンでは、髪質改善を軸にスタイリストとして活躍。しかし、売上が頭打ちになっていることを感じ、現状を打破したいとONYXに環境を移したそう。

そこからわずか1年で売上トップに躍り出て、店長を任されるまでに急成長を遂げたワケとは。バズることよりも「選ばれること」を意識して発信してきたという、郷家さんのSNSブランディングに迫ります。

 


 

同級生の熱量に圧倒され、メンズサロンを断念

 

 

美容師を志した時点で、地元の北海道で働くことはあまり考えていませんでした。高校卒業と同時に上京し、憧れの美容師が学んだという専門学校に入学しました。実は、当初はメンズサロンの有名店に入りたかったんです。

 

─当初は、というのは?

 

いざ入学したら、周りには自分のように有名美容師に憧れてその学校に入った人が沢山いて。上には上がいると実感させられたというか、本気でメンズサロンを目指す人たちの熱量に圧倒されて「自分には無理かもかもしれない」と感じてしまったんですよね。

メンズサロンへの道を断念してからは、もともとK-POPアイドルが好きだったこともあり、ヘアメイクの道に進みたいと考えていました。卒業後はフリーのヘアメイクとして働くつもりで、就職先も決めないまま専門学校を卒業したんです。

 

─そこから、ヘアメイクの道に進まれたんですか?

 

いえ(苦笑)。学校の先生を介してヘアメイク事務所に連絡を取っていて、そこと連携してやっていこうと思っていたのですが…ヘアメイクとして働くには、やっぱり美容師としての経験が必要だ、と卒業後に言われたんですよ。

 

 

今になって考えれば当然のこととは言え、サロンすらしていなかったので当時はかなり焦りました。先生からの紹介で、池袋を中心に何店舗か展開していたグループサロンになんとか入社できました。

 

─スタートから波瀾万丈ですね…!

 

入社したばかりの頃は、ヘアメイクの仕事への未練も多少ありました。それこそ、お店で行われるスタイル撮影などでメイクをやらせてもらったりもしていたんです。

ただ、美容師の技術を学んでいくうちに自然と気持ちが傾き、スタイリストになる頃にはすっかり「美容師って楽しいな」という思いが強くなっていました。何も知らずに入ったサロンではありましたが、体制も整っていましたし、のびのび働かせてもらっていたんですよね。アシスタント期間も大きくつまずくことはなく、3年目の半ば頃にスタイリストデビューを果たしました。

 

停滞した現状を変えるには、挑戦が必要だった

 

 

デビューのタイミングで銀座の店舗に移り、そこで2年ほど働きました。メインの客層はOLさんや、二十代から四十代くらいの女性。打ち出しは、今と同じく髪質改善をメインでやっていました。

髪質改善の基礎は前社のカリキュラムで学びましたが、そこからのブラッシュアップはほとんど独学です。SNSやYouTubeで発信されている情報を見て、実践しながら技術を磨いていきました。

 

─髪質改善を打ち出した理由は?

 

僕自身も癖毛なので、そういう方達の悩みが少しは理解できるのでは、と思ったのが一つ。それと、日本人は8割が癖毛と言われています。癖が気になる人がこの世からいなくなることはないだろうし、矯正の技術を磨いておいて損はないんじゃないかと考えたんですよね。

それと、僕は技術を理論的に学ぶのが好きなタイプなんですよ。薬剤の組み合わせ方などケミカルな部分を紐解いていくのが楽しくて、技術自体に面白さを感じられたことも大きかったです。

 

 

ケミカル的な面白さはもちろんカラーにもありますが、ブリーチカラーをする層は比較的年齢が若め。SNSで情報を集め、色々なサロンを巡る世代という側面もあります。長期的に見た時、その層の顧客化は難しく、そこを一生追っていくのは結構きついのではという思いもありました。

 

─戦略的にブランディングを定めてきたんですね。実際、デビュー後の集客は順調でしたか?

 

毎月一定のお客さまは来てくださっていました。ただ、極端に低くはなかったものの、あるラインに達してからは「今以上に売上を上げることは難しいだろうな」とも感じていたんです。自分としてはもう少し上を見てみたいという気持ちがあって、燻っていました。

そのタイミングで、ONYXで働いていた専門の同級生から声をかけてもらったんです。エリアもサロンの雰囲気も全く違いますし、正直かなり迷いました。でも、その時点で僕は25歳。環境を変えて挑戦するなら今のうちなのではと思い、現状を打破するためにも転職を決めました。

 

>意識が高い人に囲まれて、自分の行動が変わった

 

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