人生のヒントはスクリーンの中に。私が学んだあの映画

  アシスタントにおすすめの映画 『ピンポン』

 

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がむしゃらに突き進むことは大変だけど楽しいって教えてくれる

 

映画は「もし自分がこの場面に遭遇したらどうなるだろう」という未知の世界を追体験できる“新たな自分の発見場”。登場人物と自分を置き換えることで、新しいアイデアや感情が生まれてきて、他人と話す時に「きっとこの人はこういう感じだから、こういう風に接したほうがいいかな」って相手の気持ちがなんとなくわかるようになる気がします。映像だけでなく言葉でもすごく伝わってくるものがあるので、洋画よりも邦画のほうが好きです。

 

松本大洋さんが大好きで、漫画もアニメも実写化されている映画も全部観ています。なかでも『ピンポン』は10歳の時に初めて観て以来、毎年必ず観る一本。年を重ねるにつれて新しい発見がありますね。

 

主人公のペコはすごくストレートな性格でわかりやすいから、10歳の私にも彼の熱い想いがすごく伝わってきた。でも実は、表に出さないだけでスマイルも卓球への想いは同じなんだってことに気がついて。むしろ、一つのことを決めたらブレない信念が強いのは、スマイルだと思う。私にはスマイルのように、寡黙に自分を押し殺しながら淡々と同じことを繰り返すことが出来ないので、彼の言動から学ぶことが多いです。

 

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また、2人の関係性もすごくよくて。海岸で将来のことを話すシーンで「この星の一等賞になるの卓球でオレは」ってペコが言うと、スマイルは「卓球はただの暇つぶしだよ」って言うんです。2人の言葉は両極端だけど想いは同じだし、多くを語らなくてもお互いの気持ちを理解して支え合ってる。自分にもこういう仲間がいたらいいなって思いますね。

 

美容師の仕事はどうしても落ち込むことが多いと思うんです。でもペコとスマイルを観ていると、一つのことにがむしゃらに打ち込むって、大変だけど楽しいことなんだと思えてくる。ペコは一度挫折して奈落の底に落ちるけれど、また卓球の道でのぼりつめていくんです。失敗しても完璧じゃなくてもよくて、最終的には自分がどこにいたいのかを見つけられればいいよねっていう気持ちにさせてくれます。自分も好きなことに向かって、頑張ろうって思える映画です。

 

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『ピンポン』2002年/日本

 Blu-ray¥4104/DVD¥2571 発売中

発売:アスミック・エース/小学館

販売:(DVD)KADOKAWA 角川書店/(Blu-ray)TCエンタテインメント

(c)2002「ピンポン」製作委員会

STAFF:原作/松本大洋、脚本/宮藤官九郎、監督/曽利文彦

CAST:窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、大倉孝二

 

プロフィール
KINOTOLOPE

アシスタント/中村 千聡(なかむら ちさと)

1992年6月9日生まれ。東京都出身。
国際文化理容美容専門学校卒。美容師歴1年2ヶ月
初めて観た映画:『ヘラクレス』
好きな映画:『愛のむきだし』

 (取材・文/井上 麻子  撮影/菊池 麻美)

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