あなたが完璧なカットをしていても失客する理由、教えます。

(4)「前より良くしてあげたい」気持ちを伝える

 

 

お客さまから「いつもと同じで」と言われても、3ヶ月〜半年に1度はイメチェンの提案をするといいと思います。10回続けて、「いつもの髪型で」と言われても、11回目にもしかしたら急にイメチェンしたくなるかもしれない。そのときに言える雰囲気を作ってあることが大事なのです。

女性って、「あなたを可愛くしたいと思っている」ことを毎回伝えてあげないと「もう大事にされていない、このお店ではこれ以上可愛くしてはもらえないんだ」という気持ちになりやすいんですよね。そして黙って違うお店に行ってしまう…。提案は「あなたのことを考えています」という意志表示のためにも重要です。

 

提案が苦手な美容師さんは、季節に関係する提案を意識してみるだけでもいいんじゃないでしょうか? もうすぐ夏だから少し軽くしてみませんか?と提案されると、「私のことを考えてくれているんだなぁ」ってお客さまもうれしいものです。

 

世の女性たちは、美容師さんが思っている以上に美容師さんに対して意見をいうのを恐れ多いと感じています。忙しいのに私のためにお手を煩わせちゃって申し訳ない、なんて気持ちだったりもします。だからこそ美容師さんから「なんでも話していい空気」を作らないと、なかなか本音は引き出せません。

 

(5)美容室を「なりたい自分になれる場所」に

 

 

ここまでの話をまとめるとお客さまとのコミュニケーションのポイントは、

 

(1)お客さまの気持ちや気分を聞き、「顔と髪と心」に似合う髪型を提案する。

(2)お客さまが言い出しにくいことを話せる空気を作る。

(3)新しい提案をする。

 

になります。

 

こういったコミュニケーションができると、お客さまにとって美容院は「髪を切る場所」から「人生を相談できる場所」になっていきます。

私が『女は、髪と、生きていく』を書いたのは、美容室がもっと「なりたい自分になれる場所」だと知ってもらいたかったから。

というのも、美容師さんが想像している以上に、女性にとって理想の髪型を手に入れることは、自己肯定感に直結しています。みなさんの技術は、人の人生を本当に変えられる技術だと私は思っています。

みなさんの技術とコミュニケーションが、たくさんの女性を幸せな人生に導いてくれますように!

 

 

プロフィール
佐藤 友美(さとう ゆみ)

日本初、かつ唯一のヘアライター&エディター。『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)は、NHK「あさイチ」でも特集され、8万部を超える大ヒットに。「美容業界と一般のお客さまの橋渡しになる」ことをミッションに、数々の企画を担当する。最新著書は『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)
https://www.gentosha.co.jp/book/b12743.html

 

(取材/脇山渚紗・撮影/菊池 麻美)

 

 

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