日本の美容のために、国を動かしたい −airグループ20周年の軌跡を岩田社長に聞く【後編】−

 

「air」は1999年に誕生。10年目には新ブランド「LOVEST by air」や関西、九州への直営店の展開。すべての“美”が集まる総合エンターテインメント企業を目指し、ヘアケアグッズの開発や販売、エステ、ネイルサロン、人材教育など幅広い分野で成功をおさめてきました。

 

20年、止まることなく常に新しいサロンのカタチを体現してきたairグループの軌跡をたっぷりとうかがいました。インタビューは全3話で、今回は第3話。「美容業界をよくしたい」と考えているかた必見です。ぜひ第1話第2話と併せてご覧ください。

 


 

美容業界にはまだまだチャンスが眠っている

 

 

設立15年目くらいまでは、自分の会社を強くすることだけ考えてきました。勉強会や講習会などの依頼があっても、よほどの理由がない限りはお断りしていましたし、取材も受けたことがなかったんですよ。

 

でも、僕はこの強面のビジュアルだし、情報があまり表に出ていなかったから「あそこの社長は一体何者なんだ、反社会勢力じゃないか」ってネットの掲示板に書かれたりしていたんですよね(笑)。飲食業界やIT業界の連中とばっかりつるんでいましたし、派手に飲み歩いているところだけを見られていたから、誤解を生んでいたのだと思います。

 

僕からすると、美容業界に閉じこもるよりも、外から学ぶことでヒントを見つけられると思うから、他業種の人たちと一緒に遊んでいただけなんですけれどね。

 

 

美容業界は外側から俯瞰してみた場合、まだまだチャンスがあると思います。まず、美容師というだけでお客さまの信頼を得られること。これは大きい。

 

例えば、知らないおじさんが女性の髪を触ったら嫌がられるじゃないですか。でも、その人が美容師やヘアメイクだったら「私の髪どう?傷んでる?」という具合に髪を見せてもらえると思います。同じビジュアルでも職業を言っただけで、女性に心を開いてもらえるわけです。

 

美容室には数ヶ月に1回、1時間くらいは滞在しますよね。そこにマーケットがあるんです。もちろん今も物販もあるし、タブレットをおいて広告を流しているところもありますが、もっと人を喜ばせる情報やサービスを提供できるはずだと僕は考えています。

 

化粧品のプロデュースや医療とのコラボもスタート

 

 

これまで美容室、エステ、ネイル、まつげ、化粧品のプロデュースなど、トータルビューティーを実現してきました。でも、医療に関する分野は手出しできなかったんですよね。医療と美容がリンクすれば、例えば健康診断の窓口的な役割を担えるかもしれません。

 

今は、髪の毛を一本とか少量の唾液などを医療機関に送って、それだけで情報をとることができる時代ですから。2017年からすでにMBクリニックとの連携を進めていますが、医療とのコラボでシナジーを生み出していけると考えています。

 

僕らには20年の歴史と経験値があります。資本力も含めて、若手の挑戦をバックアップする土台もあるから、どんどん若手に新しい挑戦をさせていきたいと思っています。挑戦を通じて、人間力を育てるということは創業時からずっと言い続けてきていることです。

 

美容師である前に、人としてどうなんだと。人間力がある人には、お客さまがつくけれど、技術があっても人間力がないヤツには、お客さまはつかないと思うんですよね。

 

>経営者の仕事はみんなのために「新しい可能性」をつくり続けること

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