近くて遠かった「美容と医療」のコラボレーション airがトータルビューティーの未来を切りひらく

 

朝日光輝氏や木村直人氏など有名美容師が在籍するairグループ。1999年から一貫してトータルビューティーを掲げていた同社が、いよいよ医療との連携をスタートさせました。麻布十番のairビル内に「MBクリニック麻布」が入ったことにより、一体どのような相乗効果が生まれているのでしょうか。また医療との連携の先に、どのような未来を描いているのでしょうか。代表の岩田氏に語っていただきました。

 


 

美容の世界でやれることはやり尽くした

 

-2017年春から、airと美容皮膚科との本格的な連携がスタートしました。その狙いを教えてください。

 

僕はもう何年も前から、講演会などで「これからホリスティック(心身含めてトータルに癒すこと)の時代がくる」と繰り返し伝えていました。airグループには、美容室があり、エステがあり、ネイル、アイラッシュがあって、化粧品を販売する会社もあります。

 

あと我々に何ができるか突き詰めて考えたとき、やはり美容クリニックだなと。これからは医療と美容のコラボレーションの時代だと思いました。この想いは、新しくできた「MBクリニック麻布」の名前にも込められています。Mはメディカル、Bはビューティーの頭文字をとっているんですよ。

 

場所は、air-AZABUの上の階にありますが、誤解がないようにお伝えしておくと「MBクリニック麻布」の責任母体は当社ではなくクリニック側です。「MBクリニック麻布」は、広く患者さまを受け入れています。

 

-これまで医療と美容のコラボレーションが難しいとされていたのはなぜでしょうか?

 

医療と美容って近いように見えて遠い存在だったんです。誤解を恐れずに言えば、医療に関わるみなさんは、美容をあまり認めてないというか…。両者の間に、厚い壁のようなものがあったんです。

 

でも、美容室は病院と違い、忙しくて健康診断、人間ドックやがん検診を受けていない人もお越しになります。それに女性の髪を触ることができるのは、両親と彼氏と美容師くらいですよね。したがって、美容師とお客さまの間には「濃密な信頼関係」があります。お客さまは自分がコンプレックスに感じている部分も、美容師だけには見せるわけですから。

僕は信頼関係に立脚した広大なマーケットがそこにあると思っていたから、トータルビューティーを進めてきました。そのことを繰り返し説明したことで、医療業界の人たちにもメリットを感じてもらえたのではないかと考えています。

 

まだ構想段階ですが、例えば、お客さまの髪の毛や唾液からデータを取得する検査パッケージをサロンでご紹介するとか、新しい可能性やシナジー効果を生み出せると考えています。

 

airのサービスは何であれ「本物」でなくてはならない

 

 

-MBクリニック麻布ではどのような医療サービスを提供しているのですか?

 

皮膚科の一般診療、医療レーザー脱毛、ボトックス注射、リフトアップ、AGA、メンタルヘルスなどです。一番ニーズとして多いのは脱毛です。

 

airブランドは、美容をはじめとする全てのサービスで「本物」を追求しています。そして、なにより「安全」でなくてはなりません。日本のエステサロンがおこなう脱毛は、ユーザーから消費者庁へ相談が寄せられるケースもあるといいます。医療脱毛としてしっかり提案するためには、やはり医師免許を持った人と組むことが大切。「MBクリニック麻布」には、皮膚科の経験や見識がある医師が集まっています。

 

AGAの需要もあります。男性のAGA治療はかなり進歩していて、何人かのスタッフが試したのですが、発毛効果が確認されています。男女ともに薄毛で悩まれている人は多いですが、やはり美容室でやれることには限界があるので、医師と組んでどのような提案ができるか考えていくべき。髪の悩みで最初からクリニックに行く人は少ないですから、美容室が入り口になったほうがいいと考えています。

 

また、美容室のなかに病院を作ることはできませんが、病院のなかに美容室を作ることはできるので、たとえば、安全を配慮したうえで、カラーの待ち時間に点滴を打つとか、そういうことも可能になるかもしれません。

 

-スタッフのみなさんの反応はいかがでしょうか。皮膚科がサロンのすぐ上にあったら手荒れに悩んでいる人は助かりますよね。

 

そうなんですよ。みんな医師に診察してもらい、飲み薬を処方されてどんどん治っています。ただし、火曜日が休みだから、休日に通えないっていうクレームが僕のところに届いているんですけれどね(笑)どうするか考えていかないといけないなと思っています。

 

>少子化時代を勝ち抜くための戦略

 

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