“お客さまを大事にしない業界に、未来はない。” カカクコム創業者でALBUMのオーナーの槙野光昭さんに 「ALBUMのこれまでとこれから」を聞いてみた!

美容業界は個人の時代が続く・・・この流れは歓迎できない

 

 

−2020年の美容業界はどうなると思いますか?

 

個人の時代が続くんじゃないでしょうか。ただ、これはあまり喜ばしいことではないですね。サロンで人を育てて、ブランディングできたらみんな出ていってしまうわけですから。今、サロンで名前を売ってからシェアサロンに行く流れが目立ちますね。サロン単位でビジネスを考えている側からすると、これは痛いです。

 

 

−2020年、ALBUMではどのような展開をお考えですか?

 

ホットペッパーの年間ランキングで全店全国ベスト10入りするのがまず一つ。もう一つ美容室以外の事業を育てること、まずはECの強化です。

 

あるメーカーさんがECに対し思い切った方針転換をしたことが僕にとっては大ニュースでした。というのも、本来プロフェッショナル商材は、Face to Faceで売らなきゃいけない建前があると思うんですが、それを大胆に開放して公式ショップを公認した。これって、たとえるとしたらECの業界にタバコ屋ができるくらいのインパクトです。タバコは免許がないと売れないですから。

 

 

で、真っ先に僕はいろいろと調べたんですが、これまでECでプロ用の商材を売っていたところって、言い方が悪いけど、どこのサロンが運営しているのかわからない怪しいところが多く目についたんですよ。きちんとヘアサロンを経営していて「サロン名=ECショップ名」でわかりやすく僕たちが販売したほうがお客様が安心じゃないですか。というわけで、さっそくECのスペシャリストを招いて、EC事業を立ち上げました。

 

開始して1年も経っていませんが、直近の売上で月売上800万円、年間で1億円ペースです。薬剤費は全体の売上の10%くらいだから、売上規模10億円のヘアサロンが使うボリュームですね。つまり、メーカーさんからすると総売上10億円くらいサロンが新たに誕生したくらいのインパクトのはずです。

 

ALBUMをパンダ力とマンモス力を併せ持つサロンにしたい

 

 

あと、これから我々が目指すのはパンダ力とマンモス力をあわせもつサロンになることですね。パンダ力っていうのは拡散力、PR力です。これまでは青山・表参道などでサロンの顔として活躍している人たちが影響力を持っていました。一方で、購買力というと何百店舗も展開している大手チェーンのほうが圧倒的に大きいですよね。これをマンモス力と僕は言っています。

 

今、パンダ力とマンモス力を僕の理想の形で両方もっているサロンはみあたらない。でも僕らは、そこのポジションに近づきつつあります。サロン全体でInstagramではフォロワー130万人ですから、隅々まで情報発信できますし、売上も10億円を突破しました。株式の上場も計画しています。

 

 

−最後に、槙野さんご自身の今後の展望も教えてください!

 

ALBUMが成功して、大きく離陸し、次のステージになったら経営の第一線からは退いてもいいと思っています。そのフェーズにあった経営者がいますから。会社をもっと発展させて、お客様と従業員の満足度をもっと高めることのできる経営者に託したいです。

 

でも株は持っています。。前の会社(カカクコム)は僕が辞めてから価値が100倍くらいになりましたからね。人生最大の後悔の一つですよ。今度は絶対にそうならないようにします!

 

 

プロフィール
株式会社オニカム 代表取締役社長
槙野 光昭(まきのみつあき)

東海大学卒業後、パソコン周辺機器メーカーに入社。営業活動をしている際に価格比較サイトの事業を思いつく。1997年より「価格.com」の事業をスタート。2001年28歳という若さで会社を売却し、ビジネス界から姿を消す。2014年にヘアサロン「ALBUM」を開業。圧倒的なフォロワー数を誇るインフルエンサー美容師を抱え、現在、原宿、渋谷、新宿、中野に5店舗を展開している。

 

(取材・文/外山武史  撮影/渡辺きるけ)

 

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