【日本人美容師は世界で通用するのか】海を越えて伝えた、日本発ヘアトレンド。カナダ10万人の前で、COAが「日本の技術」証明
「美容師」としてではなく、スターのように声をかけられた
――ステージ以外でも、かなり現地の反応があったそうですね。
青木:本当にすごかったです。ホテルでも、エレベーターでも、ロビーでも、街を歩いていても声をかけられる。スーパーに行っても声をかけられる。
佐藤:「一緒に写真撮って!」って、何回も言われました。
星那:「BTS?」って聞かれたり(笑)。

――美容師だと認識されていなかった?
青木:そうなんです。美容師としてというより、「なんか日本から来たスターがいる」みたいな感じ。でも、それも日本の美容師としては面白い発見でした。日本って、今すごくルッキズムの強い国だと思うんですよ。美容師もその真ん中で、ビジュアルを作る仕事をしている。
一方で、カナダは多様性をすごく尊重している。だからこそ、逆に日本の美容師が持っている「ビジュアルを作り込む力」が、現地では珍しく映ったんじゃないかなと思います。
星那:確かに、オーラというか、見た目も含めて「日本の美容師ってこういう感じなんだ」という部分は、かなり興味を持ってもらえたと思います。
「60カナダドルで、このクオリティ?」日本の技術に現地が熱狂
――美容師として、一番大きな反響を感じたのは?
青木:やっぱり技術ですね。ヘアショーの後、会場の一角のブースで15分カットをやったんです。料金は60カナダドルくらい。日本円で7,000円前後です。それが、本当に大人気になって。
初日はヘアショーの後に予約が埋まって、翌日も全部予約が入った。DMもすごく来ました。「カナダにこんなに上手い美容師はいない」って言ってくれる方もいて。僕らからすると、いつもやっているデザインなんですよ。でも、それを見てものすごく感動してくれる。
星那:日本では当たり前になっている技術が、海外では全然当たり前じゃないんですよね。
ゆうだい:そう。カナダではサロンでヘアカットをしない人も多くて、だからこそ、プロが切っただけで「こんなに可愛くなるんだ!」という衝撃が大きい。実際、「カナダにお店を出してほしい」と言ってくれる人もいました。
――日本の美容師の技術が、そのまま海外で価値になる?
青木:そう感じました。カナダの美容室のカット料金を調べると、100〜150ドルくらいが平均で、チップもあります。だから日本の美容師の技術って、海外では十分ビジネスとして成立する可能性がある。
今回、60ドルくらいで15分カットをやって、それだけの反響があった。これはかなり大きな手応えでした。
日本人美容師が得意とする「顔周り」の繊細なデザイン
――実際に現地の方をカットして、日本の美容師だからこそ評価されたと感じた技術はありますか?
ゆうだい:僕は、やっぱり顔周りだと思いました。前髪や顔周りって、日本や韓国では輪郭をカバーする文化から発達してきた技術だと思うんです。
でも欧米の方って、前髪をかき上げたり、顔周りをあまり細かく作り込まない方も多い。だから、日本のヘアスタイルが好きで「日本人みたいな前髪にしたい」と来てくれた方を見ると、顔周りにまだ切れるところがたくさんあるんです。
そこを少し切るだけで、ものすごく印象が変わる。「ちょっと切っただけなのに、こんなに違うの?」という反応をされる方が多かったですね。

――それは日本独自の感覚なんでしょうか?
ゆうだい:日本って、「みんなを同じように綺麗に見せる」という文化が強いと思うんです。だから、エラが張っていたらカバーする、フェイスラインが気になるならシュッと見えるように毛流れを作る。そういう「その人のコンプレックスをどうカバーして、より美しく見せるか」という技術がすごく発達している。
カナダは多様性を認めるからこそ、「あなたはあなたのままで美しい」という考え方が強い。どちらがいい悪いではなくて、そもそもの「美しさ」に対する考え方が違うんですよね。だからこそ、日本の美容師が持っている繊細な似合わせの技術が、海外では新鮮に映ったんだと思います。