【日本人美容師は世界で通用するのか】海を越えて伝えた、日本発ヘアトレンド。カナダ10万人の前で、COAが「日本の技術」証明

 

5時間待ってでも「日本の美容師に切ってほしい」

 

――ステージはもちろんのこと、ブースの反響もすごかったんですよね。

 

ゆうだい:すごかったです。ただ、最初は全然人が来なかったんですよ(笑)。

 

青木:美容部門でブース出展しているのは僕らしかいなくて、周りは世界的にも名前が知られている食品、自動車メーカーなど、大手の日本企業ばかり。COAの商品を置いているだけだったので、「何のお店?」みたいな状態だった。

 

ゆうだい:だから初日は、11時から夕方5時くらいまで、ずっと呼び込み。食事もほとんど取らずに、炎天下で一人ひとりに声をかけていました。

 

佐藤:ところが夕方5時からのヘアショーが終わった瞬間、状況が一変しました。もう翌日から、お客さんは5時間待ち。

 

 

――5時間ですか?

 

ゆうだい:翌日はオープン前から行列ができていて。5時間待ってくれるんですよ。閉店後も「並んでいる人は全員切っていい」と言われたので、そこからまた切って。

 

佐藤:会場の電気が止まってからも切ってましたね(笑)。暗くなって、ドライヤーも何も使えない。それでも切る。

 

青木:それくらい、求めてもらえたということですよね。日本に帰ってきてからもDMが止まらなくて。「日本に髪を切りに来てください」とお伝えた方もたくさんいました。

 

 

 

言葉が通じなくても、人を笑顔にできる

 

――今回の経験を通して、美容師としての価値観が変わった部分はありますか?

 

佐藤:僕は、多様性というものをすごく感じました。カナダの人たちって、すごくフレンドリーなんですよね。日本人って、いい意味でも悪い意味でも、ちょっと硬いところがあると思う。ルールとか、周りの目とか。

でも、海外に行ってみて、「もっと自分をオープンにしていいんだ」と思いました。SNSでも、もっと自分を出していいんだなって。

 

星那:僕はやっぱり、言葉が通じなくても美容の技術を通して人を喜ばせられるんだ、ということを実感しました。海外なので、当然言葉の壁があります。でも、ハサミ一本で、髪を切ることで相手を笑顔にできる。

日本ではコミュニケーションを取って、お客さまと会話をして、ということが当たり前だった。でも今回、言葉が通じなくても「ありがとう」と言ってもらえた。美容って、言葉を超えるんだなと思いました。

 

 

 

「日本の美容師は、思っている以上に世界で必要とされている」

 

――青木さんは、今回の経験を今後の海外展開にもつなげていきたいと?

 

青木:そうですね。日本の美容師は世界でも上手い、とよく言われます。でも、「海外に行くのはちょっと不安」という美容師も多いと思う。今回行ってみて、思っていた以上に日本の美容師は世界で必要とされていると感じました。

僕自身、10月にはフランスにも行きます。今回のカナダと同じように、製品とカットの企画でオファーをいただいています。だから、もっとみんなに海外に出てほしい。日本だけじゃなく、世界で自分の技術がどう評価されるのかを、一人ひとりに感じてほしいと思いました。

 

星那:今回、すごく大きかったのが「海外だから特別な技術が必要」ということではなかったことですね。もちろん髪質や人種は違う。でも、根本にある「その人を見て、その人に似合うものを作る」という美容師の仕事は同じ。むしろ、海外に出たことで、日本で自分たちが当たり前にやっている技術の価値に気づけたと思います。

 

 

4人だからこそできた、ぶっつけ本番のステージ

 

――4人で海外のステージに立ったからこそ感じた、COAというチームの強さは?

 

星那:やっぱり「フィーリングで対応できる」ことだと思います。この4人って、普段からTikTokをやったり、いろんな活動を一緒にしているので、お互いのことを分かっている。

「次はこの人がやってくれるだろう」とか、「今は自分が出たほうがいい」というのが、言葉にしなくても分かるんですよね。だから、今回みたいにモデルもその場で決まる、リハーサルも作り込みすぎないという状況でも、本番で対応できた。

 

青木:みんな経験値があるんですよ。ヘアショーもたくさんやっているし、全国でセミナーをしたり、いろんな活動をしている。何をやらせても、立ち回り、対応力、技術、全部含めてちゃんとできる。改めて、COAって層が厚いなと思いました。

 

ゆうだい:僕は、4人それぞれの役割がはっきりしていたのも強かったと思います。塁は盛り上げる。青木さんは技術とデザインで魅せる。星那は全体を見ながら対応する。そして僕は、英語を使ってモデルさんとのコミュニケーションや商品の説明をする。誰か一人が全部やるんじゃなくて、それぞれの得意分野を持ち寄って、一つのチームになっていたと思います。

 

 

 

「世界に出る時が来た」日本の美容師の可能性

 

――最後に、これから海外で挑戦してみたいことを教えてください。

 

青木:僕は、もっと多くの国にCOA PLUSを展開したいです。今日もドバイとタイの現地の代理店との打ち合わせがあります。商品だけじゃなく、みんなの技術もパッケージ化して、販売ルートを増やしていきたい。そして、「日本の美容が通用しない国を探しに行きたい」ですね。それくらい、世界中で試してみたい。

 

ゆうだい:僕は今回、本当にいろんな髪質、いろんな人種の方を切って、「こんなにも切り方の幅があるんだ」と感じました。だから、今まで切ったことのない髪質、切ったことのない人種をなくしたい。全髪質、全人種に対応できる美容師になりたいですね。

 

星那:僕も、もっと海外に挑戦したいです。今回、海外の文化や価値観に触れて、「世界ってこんなに広いんだ」と改めて思いました。日本の中だけで考えていると、どうしても視野が狭くなる。だから、ヘアショーでも、セミナーでも、サロンワークでも、何でもいい。もっと海外に出て、いろんなものを見て、経験したいです。

 

佐藤:会社としても、海外展開はすごく重要だと思っています。日本の美容業界って、これから市場として厳しくなっていく部分もある。だからこそ、商品の輸出だけじゃなく、技術そのものを輸出していくことが必要なんじゃないかなと思っています。

 

 

青木:今、「インバウンド」という言葉がよく使われますけど、僕はそれだけじゃなくて、日本の美容そのものを外に出していく時代なんじゃないかと思う。「J BEAUTY」という言葉も出てきていますし、日本の美容を世界に広げていくことは、これからの美容業界にとって一つの大きなテーマになるはずです。今回、僕たちがCOAを代表して海外に行かせてもらったことで、その可能性を少し感じることができた。だからこそ、これからもっと日本の美容師が世界に出ていけばいいと思います。

 

ゆうだい:日本の美容師って、本当に世界で通用しますからね。ハサミ一本で、世界中の人を笑顔にできる。今回のカナダ遠征で、それを自分たち自身が一番実感できたと思います。

 

(文・撮影/石田雅子 写真提供/COA)

 

 

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