【jurk東京で始動】名古屋発ブランディングサロンを成功させた沢井卓也はなぜ東京出店を決めたのか。ファッション界への歩み、オールスターを輩出するバリューも注目

陰から陽へ。2022年はブランディングの転換期

 

水戸:東京に出店したことで、新たに感じることはありましたか?

 

 

沢井:名古屋では既存のお客さまがいたので、敢えて敷居を高くしていた部分はあったけど、東京に出したことで感じることも変わってきました。もっと間口を広げていこうかなとか、おしゃれすぎるブランディングを少し抑えても良いのかなとか。メディアに対しても柔軟に対応していきたいと思っています。下の子たちの未来も考えて。なんていうか、ハッチャけたい子たちの意向も汲んでいきたいですね(笑)

 

具体的にいうと、ヘアショーのディレクションとかやれたら良いなと思っています。5周年くらいかな。コロナが落ち着いたら、少しずつ仕掛けていきたいですね。働いてくれているスタッフのポテンシャルは高くあって欲しいので、サロンにとって大きな波を起こすことも必要だと思っています。そこでうまくブーストさせる何かは常に考えていたい。今までは陰というかクローズドなブランディングだったので、これからは陽。オープンな感じを出しつつ、その中でもひとつ違う空気感を出していきたいです。


 

 

まだまだ成長過程、jurkのネクストステージとは

 

水戸:今後のjurkとお二人のプランは?

 

沢井:今後の店舗展開は特に考えていません。自分たちの手が届かないところでは作りたくないので、そうすると2店舗が限界かなと思っています。だけど、もし今のスタッフから自分の箱を持ちたいという声があったら、違うテイストのサロンを出したり、アパレルやオリジナル商品の展開だったら増えても良いのかなという気はしています。

 

名古屋では故意的に色々と仕掛けてきましたけど、今は東京でやっていくために必要なことを模索している状態ですね。東京となるとこちらも必死なんです。そういうつもりで出したので、怠けてしまったら終わりだなと。まずは自分自身がこっちの厳しさを肌で感じて、これからどうしていくかを考えていきたいです。

 

オープンからちょうど1カ月経って、ぼちぼち予約も増えてきたので、今はこういう感じなんだなと感触をつかんで、早く軌道に乗せていきたいですね。まだやっていないこともたくさんあるので、これから色々と試していきたいです。

 

 

新美:jurk tokyoはホットペッパービューティーの掲載もまだなので、スタッフのSNS管理もしつつ、サロンとしての集客方法を考えていきたいですね。自分たちの好きなものだけでは広い集客は出来ないので、深く、広くのどちらも狙っていきたいと思っています。

 

アパレルとしては、お客さまの着ているブランドもチェックしつつ、jurkのイメージに合う新規のブランド探しにも力を入れていきたいです!

 

沢井:僕は、発信に関しては新美、アパレルのことはショップスタッフと、その分野に長けている人にある程度のことは任せているので、自分の仕事もゆくゆくは任せていきたいと思っています。まぁけど、まだまだかな(笑)。まだまだ育てないと、という段階です。

 

やっぱり僕自身が、デザインすることが好きなんですよね。今はトレンドセッターとして、トレンドを作ってみんなに伝えて、みんながそれを広めてくれるという図式になっていて。それが実際の集客に繋がっているので、やっぱり自分がやっていなきゃ無理ですね(笑)。自分の感覚で流れを感じたいというか、現場に出て、世の中のニーズを自分の目で確かめながら、これはもう飽きたなとか、今はこっちの方が可愛いなという感覚をしっかり育てていきたいです。みんなに「もうどいてください」と言われるまでは、現場にいるつもりです(笑)


 

<まとめ>

“ブランディング”というワードを美容師さんたちの間でよく耳にするようになったのは、2015年以降、ちょうど業務委託型やシェアサロンが流行り始めた頃だったかなと思います。美容業界の過度期ともいえる今の時代に、サロンを1ブランドとして確立させていくことは、全ての経営者にとっての課題であり、どれだけ向き合うかがとても重要なのではないでしょうか。今回沢井さんと新美さんのお話をお伺いして、サロンのコンセプトを徹底しそれを成し遂げる実行力、そして時代や状況に合わせて、時にはブランディングを180度シフトさせる潔さ、どちらも併せ持つ必要性を感じました。

 

プロフィール
jurk
代表/沢井卓也(さわい たくや)  

1986年生まれ愛知県出身。名古屋の有名店を経て2019年4月に名古屋・池下にjurkをOオープン。2020年8月名古屋・久屋エリアにアパレルとコスメ、ネイルを複合したサロンへと拡張移転。2022年1月には東京・南青山に2店舗目をオープン。ファッション、ライフスタイルにフィットしたデザイン創りに定評があり、多数のモデルや業界関係者を顧客に持つ。

Instagram:@sawaitakuya

 

プロフィール
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ショップマネージャー兼プレス/新美歩(にいみ あゆみ)  

1993年生まれ愛知県出身。高校卒業後ショップスタッフとして就職。その後サロンのレセプションをとして働きながらモデル活動を開始。2019年4月にオープニングスタッフとしてjurkに入社。名古屋でサロン拡張移転と共にセレクトショップをオープン。ショップマネージャー兼プレスとして、名古屋と東京の両店に勤務。

Instagram:@ayumi_niimi

 

(取材・文/水戸怜子 photo/久保田健斗)

 

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