アニメ好き美容師必見! マルチな活動が共通点の超人気の二人が対談 LECO内田聡一郎の仕事論 -声優・花澤香菜と語る自分の個性の磨き方-【前編】

「自分の声は唯一無二」そんな声を活かせる仕事を手放したくなかった

 

 

――今回は、仕事に対するポリシーを伺いたく。お二人は、自分の魅力や個性にいつごろ気づかれたのでしょう? そして、その個性をどうやって磨かれてきたんでしょうか。

 

内田:花澤さんは、キャリアは何年ですか?

 

花澤:声優でいうと16年です。その前に子役経験があり、初めて声優の仕事をしたのは14歳です。そのときは自分の声にまったく自信がなかったので、芸能活動は大学入学を期に辞めるつもりでいたんです。そんなときに、現在のマネージャーに出会いました。「私の声が武器になる、唯一無二のものなんだ」と言われて。それで、声優としてやっていこうと決めました。

 

 

14歳で初めてアフレコしたときは、大人たちのお芝居が巧みすぎて衝撃を受けました。子役時代も「代わりはいくらでもいる」という危機感と共にやっていたし、自分でもそう思っていたので、この声で勝負できると言ってもらえたときはすっごく嬉しくて、絶対手放さないようにしようと思いました。自信はありませんでしたが、声優でやるって決めてからは、とにかく失敗してもへこたれずに続けようと決めました。私は、養成所に行っていたわけではないので、現場に入って鍛えられ、個性も磨かれました。

 

内田:花澤さんはすごく柔軟性のある人なんだろうな、と思います。

声優を軸に歌手としてもタレントとしてもマルチにお仕事をされている。でもそれぞれの仕事でちゃんと個性を出しきっているというか。活動によっての切り替えてもすごいですが、声優として演じるキャラクターの切り替えもすごいですよね。スーパーハイテンションなキャラもあるだろうし、超クールなキャラクターを演じることもあるだろうし。

 

 

花澤:本当に不器用なので、例えば人を殺すなどシリアスな役をやる出勤の移動中は、本当に暗い気持ちになるようにしています。いきなり「ハイっ」てできるようなタイプじゃないので……。仕事が終わったら、美味しいものを食べたりしてすぐ忘れられるんですけど(笑)。

 

 

内田:ある役者さんが言っていたんですけど、自分は、“容器や入れ物”みたいになった方がいいと。入れ物=コップに注ぐのは、オレンジジュースのときもあればコーラのときもある。求められたものになりきることが大事に思っているって言っている役者の人がいて。

 

じゃあ、何も入れていないときって、自分のらしさや軸みたいなものを見失っちゃうことってないのかなって思ったんですよ。色々な役をこなしているからこそ、そこから抜けたときに、自分って何者なんだろう、何が好きなんだろうってなることはありませんか?

 

花澤:たしかにお芝居のことを考えていない時間って本当に少ないです。ただ、そのお芝居があるおかげで、自分の生活が豊かになっているというのは感じます。例えば、あの映画を見ようとか、あの小説読んでみようとか、いろいろな方の表現を見るのが割と楽しいなって感じられるので。ただ、仕事に関係のないプライベートでダメージを受けることがあると、仕事に向かうまでにちゃんとそこを均しておかないと難しかったりします。美容師さんもそうじゃないですか?

 

 

内田:僕は、なんとなく「内田さんってこういう人」っていうイメージがあるので、お客さんもそういう人が集まってくれるっていうのもありますね。もちろん、ちょっとテンション上げるとか下げるっていうのもあるんですけど、声優さんのような振り幅は、仕事ではないんですよ。

 

――実際に気持ちの切り替えで、小説とか映画見ていても、ふと仕事に引っ張られたりしません?

 

花澤:ありますね。多分自分らしさっていうのに繋がると思うんですけど、これいいなって思ったところを自分に取り入れられたらいいな、これは違うなって思ったことは自分はやらないようにしようとか、そういう選択で自分の個性みたいなのが作られていると思います。

 

 

と、話が盛り上がってきたところで、前編は終了。後編は、お二人の仕事に対するポリシーや、それぞれの業界のこれからについて伺います。お楽しみに!

 

 

>後編へ続く

 

(取材・文/須川奈津江  撮影/渡辺 きるけ)

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