悪気はないと分かっていても⋯現役美容師が「何気に凹む言動」エピソード10選
お客さまの失恋から始まった、悲しみの連鎖(29歳/女性)
ある日、失恋したという理由でロングヘアをバッサリ切りたいというお客さまがいらっしゃいました。そのお客さまを ずっと担当していて、ショートよりロングが似合うと思っていたので、「ええ!? いいんですか!? お客さまの骨格やスタイルを考慮すると、ロングがとってもお似合いだと思いますが…」と止めたのですが、「いいんです! 大丈夫です! バッサリいってください!」と言われたのです。
お客さまからのオーダーなので、拒否することはできません。仕方なくオーダーどおりにバッサリショートに切りました。仕上がって「どうですか?」と聞くと、「大丈夫です! ありがとうございます!」と言って帰っていかれました。
ところが、仕事が終わって何気なくSNSを見ていると、さっきのお客さまの投稿を発見してしまったんです。そこには、「あーあ⋯髪切らなきゃよかった⋯失敗だし全然似合ってないし最悪⋯なんか本当私ついてないなぁ⋯」という内容が。付き合いが長いお客さまだったので、SNSで過去に繋がっていたのですが、そのお客さまはそのことをすっかり忘れていたようです。「大丈夫です」と言って笑顔で帰ったのに、心の中では「最悪」って思っていたんだと思うと、とても凹みました。だから切らない方がいいって止めたのに⋯。
ウキウキした矢先⋯たった「1,000円」の壁に泣いた夜(38歳/男性)
ある日、前回入客したお客さまから予約の電話がありました。そしてなんと、「お兄さん、前回切ってくれた人ですよね? 指名とかってできるんですか?」と言ってもらえたんです! すごく嬉しくて、「あ、はい! もちろん大丈夫ですよ!」と答えました。
「よかったー! じゃあよろしくお願いします!」と言われて予約を取りました。その後、余韻に浸りながらウキウキして仕事をしていたら、そのお客さまからまた電話がかかってきたんです。
「どうしました?」と聞くと「聞き忘れちゃったんですけど、指名ってお金かかりますか?」とのことだったので、「そうですね、指名料金は1,000円です〜」と答えたら「あ、じゃあ、やっぱり指名いいです!」と言われてしまいました。たった1,000円、されど1,000円⋯。自分は1,000円に負けたと思うと、とても凹みました⋯。