採用面接「不合格」から逆転した「不屈の男」をさらに強くした言葉たち sand 島崎 譲さん

 

第一線で活躍する美容師の人生を変えた「恩師の言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。今回はsandのCEO、島崎 譲さんのコトダマを探ります。東京で今一番勢いがあるサロンといっても過言ではないSandのトップはどんな言葉を浴びて成長してきたのでしょうか。島崎さんの意外な過去も垣間見えるインタビューです。

 


 

「お前、昔の自分に嘘をついていないか?」

 

 

大阪の美容専門学校に通っていたころの話です。「東京で一番勢いのある有名店で働きたい」と思っていた僕は、前職のサロンの採用面接でも自信満々で、自分なりに手応えもあったから絶対に受かるだろうと思っていました。ところが、結果は不合格…。間違いなく合格していると思い込んでいたから、「意欲を試されているのかな?」と勘違いして、電話でサロンに問い合わせました。電話での回答でも、もちろん不合格。現実を受け止められず、もう1回電話して「2次募集の予定はございますか」と尋ねてみたものの、やっぱり「ありません」。そこからしつこく2、3回新たな切り口で電話を掛けました。最後には、「営業中だから電話をかけてこないでください」と言われてしまい、いよいよ打つ手がなくなってしまいました。

 

 

 

「でも、ちょっと待てよ…予約を取れば話を聞かざるを得ないんじゃないか?」と思った僕は、カットの予約をとって、そのまま新幹線に飛び乗って大阪から東京へ。そして、カット中、店長に自分の熱い思いをぶつけました。店長には「みんな平等な中で審査しているから特別扱いできない」とド正論を言われましたが「2次募集を受けさせてもらえるまで帰れません」と言って、席から立たなかったので「お前、本当に面倒臭いな。もういいから明日の2次面接にこい」と。そうして翌日、無理矢理合格を掴みとることができたんです。店長からは「俺の独断と偏見で反対を押し切ってチャンスをつくったんだから、中途半端なことをしたらただじゃおかないぞ」と言われました。もちろん自分も一生懸命頑張るつもりで入社しました。

 

 

ところが。アシスタントの最初の頃はダメダメで、チェックに合格するのはビリだし、初めての入客でお客さまにパーマ液をかけてしまったり、技術が覚えられなくてやる気が起こらなかったり、みんな朝早くから練習しているのでギリギリの時間にサロンにきたり…。正直、弛んでいた時期もあります。そんなとき僕を奮い立たせてくれたのが、

 

「お前、昔の自分に嘘をついていないか?」

 

という店長の一言。「面接に落ちて、諦めて終わっていたら今ごろ僕はどうなっていたかわからない。執念でチャンスをもぎ取ったころの自分に、今の自分の体たらくを見せられない」。今もあの言葉を思い出すと、気持ちが熱くなるんですよね。チャンスをもらったから今があることを絶対に忘れてはいけないと思っています。

 

>「あなたみたいな人にはついていけない。自分のことしか考えていない」

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