「楽しさ」と「涙」はコトバよりも強く、僕を突き動かす C.crew 森田怜さん

 

第一線で活躍する美容師の人生を変えた「恩師の言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。今回はC.crewのオーナー、森田怜さんのコトダマを探ります。全国からお洒落な人が集うデザインサロンで存在感を発揮し、独立後は若手ヘアサロンオーナーとしても注目されている森田さんを突き動かしているものはなんなのでしょうか。美容師という仕事の魅力を改めて感じられるお話です。

 


 

国家試験の不合格が発覚! 社長の「どうする?」が今も耳に残る

 

 

独立前に働いていたサロンを高校時代から知っていて、美容師になったら働きたいと思っていたんですよ。実際に第一志望のつもりで採用試験を受けたけれど、合否の連絡がなかなかこない。なので別のサロンに内定をいただき、そこで働くことにしました。卒業間近の3月に第一志望だったサロンから連絡がきて「面接を受けませんか?」と。内定をいただいたサロンに不義理をしたくないので、そのときは面接をお断りしました。

 

でも、最初に入ったサロンに全然馴染めなくて。地域密着型のサロンに自分は合わないと思ったので、もう一度、もともと入りたかったサロンを受けたんです。面接ではお説教されたし、自分では何がよかったのかわからないけれど、採用が決まって働き始めました。

 

ところが。入社して1週間後に美容師の国家試験に落ちていることが判明したんです。専門学校の先生から合格だと聞かされていたし、前のサロンでは普通に働いていたからめっちゃ驚きました。専門学校の先生を信じていたし、確認しなかった自分にも非があるし、どこに怒りをぶつけていいかわからない状態で。しかも、再試験を受けられる8月のタイミングを逃していたので、しばらく無免許なわけです。

 

普通は免許を持って入ってくるわけだから、社長からしたら騙されたみたいな感覚だったと思います。でも、辞めろとは言わずに「どうする?」と聞いてくれたんです。「せっかく入ったので働かせていただきたいです」と頼みました。

 

 

首の皮一枚でつながった状態でしたが、免許がないからお客さまの髪に触ることができないじゃないですか。当時の僕にできる仕事は、電話をとったり、受付をしたり、掃除したり…そのくらいしかない。スタイリストがアシスタントのヘルプを求めているときも、「お前かよ」みたいな反応をされたりして。

 

営業が終わったら一人でウェーブを巻いたりする毎日。本当に、俺は何してんだろう…みたいな感じで辛かったですね。でも、あの辛さを乗り越えたから、何でも乗り越えられるようになった。ちなみに、社長からは、「給料はないよ」と言われていましたが、実際は同期と同じくらいいただいていたので感謝しています。

 

>「楽しけりゃなんでもいいです」 採用面接で説教1時間

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