ただ生意気なだけの男を、唯一無二の美容師に変えた言葉 OCEAN TOKYO WHITE七五三掛 慎二のコトダマ

「思いやりとこだわりが1:1」人生がうまくいく秘訣

 

 

これもまだ僕が美容師1年目か2年目くらいのとき、先輩のお客さまのパーマに入っていたときのエピソードです。そのお客さまは、ただものではないオーラを出している方で、投資家なのか事業家なのかわからないですが、とにかく得体の知れない存在感がありました。

 

そのお客さまの前で、僕は先輩に叱られたんですよね。そして、お客さまと二人になったとき、「七五三掛くん。人生が上手くいく秘訣ってなんだと思う?」と聞かれたんです。「わかんないです」と答えると、「全てのことは思いやりとこだわりの割合が1対1のときにしか上手く進まないんだよ」と言われたんですよ。

 

正直に言って、当時その言葉の意味はよくわかっていませんでした。ただ、なんだかすごそうな人の言葉だったから、ずっと記憶に残っていたんです。

 

やがて、店長になり、会社の幹部になり、自分の意思決定でものごとを進めることや、人を動かすことが増えるようになり、躓くことも出てきました。そんなときに思い出すのは、「思いやりとこだわり」の言葉です。

 

 

思いやりとこだわりが1対1のときは上手くいくけれど、どちらかに偏りすぎていると上手くいかない。たとえば、スタッフにやさしすぎてもダメだし、こだわりを押し付けてもダメなんですよね。

 

だから、上手くいっていないときは「自分のエゴが強くなってないか」とか、反対に「こだわりを捨てて妥協していないか」とか考えるようにしています。

 

 

何かうまくいかないときの自分を俯瞰してみたとき、自分の状態がどうなのか測る物差しになるのが「思いやりとこだわりは1対1」という言葉なんです。

 

一つの作品をつくるときも同じです。自分のエゴと、他人の共感の割合のバランスについて考えています。すると上手くいくんですよ。やっぱり思いやりとこだわりのバランスが大事なんです。

 

プロフィール
OCEAN TOKYO WHITE
代表/七五三掛 慎二 (しめかけ しんじ)

早稲田美容専門学校卒業後、都内有名店1店舗を経てOCEAN TOKYOのオープニングから入社。2015年1月にOCEAN TOKYO本店の副店長、その後OCEAN TOKYO本店の店長に就任。2017年2月にOCEAN TOKYO4店舗目となるOCEAN TOKYO WHITEの代表取締役に。# shimetech というハッシュタグをつけて投稿された、バーバースタイルを踏襲したヘアに注目が集まり、ファッション感度の高い男性たちの間で話題に。類稀なるセンスと才能が裏付ける圧倒的な技術力で、サロンワークのみならず、セミナーや国内外のショーでも活躍。美容とバーバーの感性を織り交ぜ、自身の世界観を広げ続ける唯一無二の美容師。

 

(文/外山武史 撮影/菊池麻美)

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