「美容師は相手ありきの仕事だから」当たり前を貫き、殻を破り続けた17年。 師匠・VANから学んだこと―美容師のコトダマ Cocoon泰斗さん―

「お前以上にお前のこと考えてる」

 

 

これはVANがことあるごとに僕に言う言葉です。これまで話してきたように、VANはいつも僕のことを見透かしているように、欲しいタイミングで欲しいアドバイスをくれ、叱咤激励してくれます。

 

VANは日々のサロンワークはもちろん、スタッフ一人ひとりの状態まで細かく把握していて、デビュー前や初めての撮影、セミナーの前など、不安に直面するタイミングで必ず声をかけてくれます。そして、自分の変化や迷いを見逃さず、経験に裏打ちされた言葉をくれるんです。

今日の現場大丈夫かな?と思った瞬間に連絡がくるんですよ。本当によくそこまで見ているなと思います(笑)。

 

でもだからこそ「お前以上にお前のこと考えてる」という言葉が本当に信じられるんです。

自分でも気づけていない部分まで見て、考えてくれている人がいる。その実感があるからこそ、その言葉はただの厳しさではなく、信じられるものとして自分の中に残っています。

 

「師匠の泰斗に…」

 

 

昨年銀座店スタッフのリラとララがミルボン「DA-NEXT」ショート・ボブ部門でJAPANグランプリを受賞しました。その受賞コメントで出た「師匠の泰斗に…」という言葉に、嬉しいというよりハッとさせられたのを覚えています。

 

銀座店がオープンして5年。気づけば、自分がアシスタントだった頃のVANと同じ年齢になっていました。自分はこれまで、VANに多くのことを教えてもらい、できることを増やしてもらった。でも、いざ自分が同じ立場に立ったとき、その教えや姿勢を、ちゃんと次に伝えられているのか。その言葉をきっかけに、改めて考えさせられました。

 

Cocoonでは、やってきてもらったことをやってあげること、そしてそれを繋いでいくことを大切にしています。VANから伝えてもらったこと、背中で見せてもらったことを、今度は自分が後輩たちに繋いでいきたい。自分が受け取ってきたものを、次に渡していく。その役割を、しっかり果たしていきたいと思います。

 

プロフィール

Cocoon銀座 ディレクター

泰斗

東京都出身。窪田美容専門学校卒業後1店舗を経て、2009年Cocoonに入社。師匠VANさんのもとで技術を磨き、サロンワーク、雑誌撮影、セミナー、コンテストなど多方面に置いて活躍。2022年DAプログランプリ、2025年Dコンテストグランプリなど受賞多数。銀座店ディレクターとして次世代の育成にも力を入れている。
Instagram:@cocoon_taito

 

(文/池谷美歩 撮影/菊池麻美)

 

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