–着るだけで社会貢献–。ALT藤田さんがコロナ禍で立ち上げたTシャツプロジェクトとは?

プロジェクトに賛同した美容師の力で、SNS上でチャリティーの輪が広がる

 

 

−プロジェクトをスタートさせて、反応はどうでしたか?

 

個人で、しかもそこまでの準備期間もなく始めたことなので、宣伝にかける費用がありませんでした。だから、スタートは自分のSNSにアップするところから始めたのですが、活動を知った美容師の仲間がSNSで広めてくれたり、サンプルを着用してくれたりしたんです。そこから徐々にお客さまやその知り合いへと拡散されていきました。一般誌に取り上げられるチャンスももらえたおかげで販売は好調で、300枚以上は売れています。(2020年8月末時点)ギャランティが出るわけでもないのに、純粋にコンセプトに賛同してくれて、協力したいと申し出てくれた美容師の仲間には本当に感謝しています。

 

−藤田さんがこのプロジェクトをスタートさせて、苦労したことや、なにか感じたことはありますか?

 

これまで美容師の仕事しかしたことがないので、Tシャツをつくったはいいものの、販売することがここまで大変だとは思いませんでした。細かい話ですが、HPの構成を考えたり、データ作成をしたり、発送も自分でやっているので商品を畳んで、梱包して、ラベルを貼って、出して・・・。美容師もやりながら一人でやるのは、結構苦労しています。もちろん、やりがいは十分にありますが。

 

また、チャリティー活動をする立場である以上、いい加減な言葉を発信するわけにはいきません。支援したいと思う団体や問題に対して、表面的なことだけではなく、より深掘りして学ぶ機会になったのは自分の中で大きかったです。例えばひとことで「動物愛護」と言っても、それぞれの立場で、さまざまな考えがあります。世の中で問題提起されていることは、人や状況によって非常にセンシティブにもなりうるので、その辺りはすごく気をつけて発信するよう意識が変わりましたね。

 

 

−今後の展開はどのように考えていますか?

 

もっと寄付をしたい団体はあるのですが、このTシャツはデザインがとても大事なので、そのデザイン案が浮かばないことには次をつくれないんです。でも、僕はファッションデザイナーじゃないから一人ではそんなにぽんぽん浮かばないし、自分の拡散力だけだと限界があります。だから今後は、このプロジェクトに賛同してくださる方と一緒にデザインを考えて、この活動を広めて、さらに多くの社会貢献ができるようになれればいいな、と考えています。

 

−最後に、この活動が美容師としての藤田さんにどんな影響を与えていると思いますか?

 

僕に、と言うより、サロンで一緒に働く後輩にとっていい影響を与えられるのではないかなと思います。ちょっと内輪の話になりますが、 ALT.は、スタッフそれぞれの夢を叶えることにコミットしたいと考えるサロンなんです。例えば海の近くにサロンを出したいと言うスタッフがいれば支援したいし、週3で働いて副業もしたいというスタッフがいれば、叶うように環境を整えたい。だから、僕がこうしてサロンにも応援されながら、美容師以外の幅広く充実した活動をすることで、後輩も固定概念にとらわれず、自由に夢を描きやすくなるのではないかと期待をしています。

 

 

 

プロフィール
ALT/マネージャー
藤田ヒトシ

千葉県出身。山野美容専門学校卒。都内2店舗を経て、ALTに参加。サロンワークの他に専門学校講師も務める。「日本全国すべての人に、最高の技術で可愛く、かっこよくなってもらいたい」という思いから、地方中核都市等への出店を予定。2020年にチャリティーTシャツプロジェクト「STAY ____」をスタート。プロジェクトの拡大にも尽力中。

 

 

(文/QJナビ編集部  撮影/菊池麻美)

 

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