「高っ!」と思いつつ「もう一度行きたい」と心に刻まれるサービスを受けにいく -THE REMMY 倉田聡子さんの習慣 後編-

美容室の常識に慣れたくないから、上質なサービスを受けにいく

 

 

いまだに「高っ!」と思いながら上質な旅館やホテルに宿泊をしているんですが、私が何にお金を払っているのかというと、贅沢をしたいのではなく、経験値を増やすためだと思っています。

 

30歳を超え、年齢的にも自分の技術、サービスを安売りするべきじゃないと思っています。以前は、新規でInstagramを見た方に20%OFFにしますとか、やっていたのですが一切やめました。大人のお客さまも増えているし、その多くがお得な料金ではなく、「上質なもの」を求めている方だと思うんですよね。

 

こちらから期待を超えるものを出していくためには、やはり自分自身が良いと評価されているものを知らなくてはできないと思います。特に美容師は若い時代にお金がなくて、泥沼みたいな経験をしている人が多いじゃないですか。そうするとどうしても、そのころの価値観が抜けなくて、お金を出すことをためらいがちになってしまう。もちろんそれは私も同じでした。だからこそ、意識的に良いとされるものには惜しみなくお金を使うべきなんだろうなと思います。

 

 

自分が客になることによって、お客さまの気持ちもよりわかるようになります。たとえば、以前に一度、お客さまからコメントを頂戴したことがありました。土日の忙しい日だったのですが、「ちょっと雑に扱われた気がするので今度は平日に行きたい」と。すごく反省しました。

 

ダブルカラーのお客さまだったのですが、その日のために時間を使って、お金も用意してやってきたのにそれに見合う扱いをされていないと思ったら、それは悲しくなりますよね。忙しいからといっても、サービスの質が低下したと感じさせるのは、絶対にあってはならないと思いました。

 

美容室の中だけにいると、その中での常識にとらわれてしまいます。だからこそ、ときには超高級と呼ばれるような場所に行き、サービスを受けて、特別な時間を過ごすことが大事なのだと思います。

 

プロフィール
THE REMMY

スタイリスト

倉田聡子(クラタサトコ)

東京都出身。国際文化理容美容専門学校卒業。都内のサロンに勤務したのち、27歳で「THE REMMY」に入社し、アシスタントから再出発。スタイリストに昇格後は、ショートヘアのスタイル提案を得意とし、「#坊主女子」でも注目される。10代や20代の若い世代からの支持も厚いが、表参道に店舗移転後は30~40代の新たな層からも支持を集めている。



Instagram @sat0k0_k

 

(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)

 

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