習慣の基盤は厨二病!? 境界線を消し、成長を積み重ねる思考と実践 ―Nu:v Ryutaroの習慣―

高感度なメンズスタイルで、アーティストや俳優からも厚い支持を集めるRyutaro(リュウタロウ)さん。学生時代から雑誌モデルを務めるなど、ストリートでも存在感を放ち、そのセンスは現在のヘアデザインにも色濃く反映されています。その感性を活かし、サロンワークを軸に、ブランドのルックやファッション誌の撮影などのヘアメイクでも実績を重ねてきました。
恵比寿にNu:v(ヌーヴ)をオープンし、代表としてサロンを率いる現在は、仕事への向き合い方や視点にも変化が生まれているといいます。今回は、そんなRyutaroさんの原点ともいえる20代の成長を支えた習慣から、今、そしてこれからへと続く思考とルーティンについてお話を伺いました。
24時間、美容師でいる。境界線を消した働き方

アシスタント時代は、朝から晩まで練習とサロンワークに追われ、空き時間や休日はモデル探しと買い物に費やす日々。文字通り、余白のない毎日でした。そんな中でたどり着いたのが、「生活と仕事を分けない」という考え方です。
仕事を“特別なもの”として切り分けてしまうと、どこかで無理が生じて続かなくなる。だからこそ、日常の中に仕事を溶け込ませ、境界線そのものをなくしていきました。

例えば、朝の服選びもそのひとつです。美容師はファッションの自由度が高い分、「好きな服を着る」だけで終わってしまいがちです。でも僕は、「今日会う人ににどう映るか」という視点で服を選ぶようにしていました。特にアシスタント時代は、先輩のお客さまを担当する機会も多く、年上の方にとって心地よい存在であるためには、自分の好みだけでは成立しないと感じていたからです。読者モデルとして撮影に関わた経験も重なり、ブランディングとしての服選びも自然と磨かれていきました。
また、通勤や外出の時間もトレーニングに変えていました。街ですれ違う人を見て、「この顔立ち、このファッション、この雰囲気なら、どんなヘアが一番似合うか」を考え、自分なりの“最適解”を考える。この思考は習慣となり、今でも続いています。
サロンワークでも同じです。カウンセリングでご要望を伺う前に、必ず自分の中での最適解を持つようにしています。先入観のない状態で基準をつくることで、要望に引っ張られすぎず、本質的な提案ができるからです。
1300人とつながって見えた、営業しないという正解

デビュー前には、「新規モデルを300人カットする」というのが当時自分で決めたノルマでした。休日の買い物や旅行中も、常にアンテナを張り、自分のイメージに合う人を見つけては声をかける。自転車で移動中でも、気になれば止まって声をかけるほどでした。結果として、アシスタント期間中にLINEを交換した人数は1300人以上。
でも、ただ連絡先を交換するだけでは来店にはつながりません。自分がどんな美容師で、どんなサロンで仕事していて、目標に向かってどう努力しているのかを伝え、関係性を築くことを大切にしていました。とはいえ、自分から積極的に来店を促すことはなかったです。「今度よかったら来てください」とだけ伝え、その場で約束を取り付けたり、後追いをしたりはしていません。髪を切ろうかなと思ったタイミングで向こうから連絡をもらう形にした方が、後々お客さまになってもらえる確率が高いと思うんですよね。Instagramでも同様に、DMでの営業は行わず、フォロワーの中で感覚がフィットする人が、自然とお客さまになってくれることを前提に運用していました。

この方法で、新規モデル300人、リピートを含めて600人以上を担当。結果、歴代最速となる3年9カ月でスタイリストデビューを果たすことができました。
こんな感じでアシスタントの頃は寝ても覚めても365日仕事のことを考えていました。決して楽ではありませんが、休みの日でも完全に仕事を忘れたいとは思いませんでした。本当に面白いのは、負荷の先にある達成の瞬間。その積み重ねが、今の自分をつくっています。
