MAGNOLiA代表 MARBOHさんのびよう道 〜30年追いかけた答えがやっと見えてきた。一流の美容師になるための方法〜

 

美容室でも待遇や休日が大切と言われる時代。もちろんそれもいいですが、美容人生のどこかで“心も体も美容でいっぱい”という時期があってもよいかもしれません。

「びよう道(みち)」は、そんな地道で壮大な鍛錬の道を歩んできた“美容の哲人”に、修業時代に一人前になったと思った瞬間や美容の哲学など、それぞれの美容の道を語っていただく連載企画です。

今回は、高い技術を誇り、特にパーマの分野で世の女性たちからの支持を集める青山のヘアサロン、MAGNOLiA代表のMARBOHさんです。実家の美容室で生まれ育ったMARBOHさんがどうして上京したのか。そして、どのような想いでMAGNOLiAを立ち上げ、運営しているのか。これまでの歩みとともに語っていただきました。一流を目指す美容師さんにぜひ読んでいただきたいインタビューです。

 


 

この職業を選んだ瞬間から、一流になることしか考えていなかった

 

 

僕は水戸出身なんですけど、親父とお袋が生活道路沿いで小さな美容室を経営していたんです。一軒家に併設されたセット面4つくらいのスペースが、僕が見て育った美容室の全てでした。学校から家に帰ると、パーマ液やカラー剤の匂いがしたし、ロットとかペーパーも身近にあった。メーカーさんの名前も知っていました。だから、美容専門学校に入ったころには、道具の名前もほとんど知っているし、スタート地点が他の学生と少し違ったんですよね。

 

今となっては勘違いの部分もあるのですが、自分なりに「この仕事だったら生きていける」という確信もありました。やるなら一流を目指したい。一流を目指すのなら東京だろうということで日本美容専門学校に入学するタイミングで上京しました。

 

 

専門学校時代は、どこが一流の美容室なのか自分なりに調べていました。すると青山や表参道のお店が出てくる。そこにビューティーのコアな部分があるという情報を、業界誌で見て信じていた。美容業界誌には歴史があるものも多いし、長年美容室や美容師を見てきている。だから、その編集者の目に留まる美容室こそが一流だと当時は思っていたんです。

 

そして、僕はメディアに載る美容室で、技術を教える側の美容師になりたかった。そういう人こそが一流の美容師なんじゃないかと学生時代からイメージしていたんですよ。

 

実家の美容室は一流とは程遠いと思い込んでいた

 

 

東京の美容室と比べると、僕が見てきた実家の美容室はとても地味に見えました。東京は美容室も大きくてキラキラしていて、オシャレなお客さまで賑わっている。実家の美容室にはそのキラキラ感が感じられず、足りないものがたくさんあるように思えました。

 

もちろん親には感謝しているけれど、僕は東京の最先端に視線を向けていた。だから、美容室も実家の美容室にないものをたくさん持っているところを選びました。そこで、足りないものをできるだけ吸収しようと思ったんです。

 

技術でも接客でも何が足りないのか見えていたからこそ、アシスタント時代も的確に質問ができました。これは人に教える立場になってより強く思うんですが、目的が明確ではないまま美容師になった子たちは、質問があまり上手じゃないんです。

 

なぜなら、自分の目指すゴールが見えていないために、何がわからないのか、何が知りたいのか見えていないから。反対に、自分のなりたい姿がわかっていて知りたいことが明確な子は、質問内容も的確なんですよね。「自分はこう思うけれど、どうですか?」みたいに自分の意思も伝えられる。

 

幸い僕は、実家の美容室との対比で足りないものを見つけていたし、子ども時代から大人の懐に入ることが得意だったから、どんどん質問して美容の知見を蓄積することができたんです。

 

 

>どんな些細なことでも、相手を惹きつける何かを表現せよ

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング