35歳で行き詰まる美容師と35歳で一層輝く美容師

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人材の流動化が進み「35歳転職限界説」は崩れようとしています。一方で美容業界では、ますます「30代中盤からの転職が厳しくなっている」ようです。その理由を1,500人以上の美容師の転職支援経験を持つコンサルタントが語ります。

 


 

売れっ子美容師も転職後はゼロスタート

 

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ここ10年で個人情報の取り扱いがとても厳しくなりました。昔と比べると美容師さんが自分のお客さまを連れて転職することが難しくなっています。するとどうなるか。たとえ技術や経験があっても、転職先でお客さまがいない状況から再出発しなければなりません。

 

当然、お給料にも影響が出て生活が苦しくなりますし、年下の先輩に使われる状況も増えるわけで、せっかく転職できても、新しい環境に耐えられない人が少なくありません。結婚して家族がいる場合は本当に大変です。しかも、転職先は20代と比べると限られています。30代中盤からの転職はとてもリスクが高いのです。

 

また、採用する側としても、昔は中途入社の美容師がお客さまを連れてくることで、集客力が上がり、売上もアップするというメリットがありましたが、今は「扱いにくそう」というマイナスイメージを抱かれることもあります。なにより、35歳となるとオーナーより年上の場合もあり、敬遠されることが多いのです。

 

高すぎるプライドがアダに…

 

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35歳からの転職がリスキーであることは、多くの方がなんとなく理解していると思います。では、それでも転職を試みて苦戦するのはどんな人なのか、一例をご紹介しましょう。

 

・自分を過大評価するプライドが高い人

 

プライドの高さが邪魔をして、会社の評価に納得できず、ころころとお店をかえてきた人です。過去の栄光にすがってしまい、他店でゼロからやり直すことを嫌がるうえ、「口だけは達者」なので、雇う側からすると、扱いにくいのかもしれません。

 

・身近な人の情報を鵜呑みにしてしまう人

 

身の回りにいる仲間の「キミはどこのお店に行っても活躍できる」とか「低価格店はよくない」などの偏見に満ちた意見を信じてしまい、的外れな転職をしてしまう人もいます。自分の市場価値をみつめて転職活動をしないと、上手くいかないまま時間だけが過ぎていきます。

 

・出産・育児などで休業していた人

 

近ごろはママ美容師も増え、出産育児経験を持つ女性美容師を歓迎するサロンも多いです。ただし、どのサロンも受け入れ体制があるわけではないので、「どうしても有名店がいい」など、働く環境にこだわりすぎると苦しくなってしまいます。

 

30代、40代の働き方を早めに考えよう

 

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不本意な転職をしたくないのなら、20代のうちに将来の働き方をイメージすることが大事です。「独立したい」「地元で働きたい」「将来現役」「とにかく稼ぐ」などなんでもいいのですが、転職がその目標を叶えるための手段になっていなければ、30代で再び方向転換しないといけなくなるでしょう。

 

一方で、30代中盤からの転職が全て上手くいかないというわけでもありません。地元密着店で活躍していた美容師さんが都内有名店に転職して大ブレイクを果たしたケースもありますし、メーカーに転職してインストラクターとして力を発揮している人もいたりします。

 

ほかにも、繁盛店で1年がむしゃらに働いて独立した人や、急成長中のカット専門店で店長に抜擢された人も。自分の適性をしっかりと見極めて、力を発揮できる場所を見つければ、転職に遅すぎることはありません。せっかく覚悟を決めて転職をするなら、コンサルタントなどのプロの力もかりて「夢につながる転職」にしてください。

 

【まとめ】

  1. 1.個人情報保護の関係で、お客さまを引き連れての転職が難しくなり、35歳からの転職で もゼロからスタートになってしまう。
  2. 2.プライドが高すぎる人、情報収集が苦手な人などは、とくに転職活動で苦戦しやすく、 運よく転職できても長続きしない。
  3. 3.20代のうちから将来を見据えた働き方をすることが重要。ただし、35歳からでも自分を 必要とする環境を見つけられれば転職可能!
プロフィール
株式会社セイファート キャリアデザイン事業部 コンサルタント
シニアリーダー/高橋 健太

1,500名以上の美容師のコンサルティング経験を持ち、同じく1,500店舗以上のサロンに美容師を紹介している経験豊富な転職コンサルタント。『熱い気持ち』で長く・安心して・安全に働ける美容室を案内することをモットーに掲げている。

(取材/文 外山 武史)

 

 

 

 

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