二十歳の頃、どう過ごしてた? Hank. 堀江昌樹さんの二十歳の頃。

─辞めたくなったこと、辛かった時期はなかったですか?

 

何度もありましたよ。それこそアシスタントの頃、ワーホリでロンドンに行こうと思っていた時期もあります。もともと絵が好きだったし、練習やレッスンが思うように進まない自分への苛立ちや、逃げたい気持ちがあって。それならロンドンでアートを勉強しながらなにかできたらいいかもな、と。実際に手続きの仕方を聞きに行ったり、先輩に「辞めてロンドンに留学します」と話をしたこともありました。

 

 

─そのときに踏みとどまれたのはどうしてでしょうか?

 

地元でお世話になっている人にその話をしたら「今いる環境で結果を出せない奴は、どこへ行っても一緒だ」「ロンドンに行くのはいいけど、それやったら、今の環境で結果を出してから行け」と言われたんです。厳しいですけど、本当におっしゃる通りで。

自分ではそうは思いたくなかったけれど、今の環境で結果が出ない自分から逃げたくて、それを正当化するための“ロンドン留学”だったと思うんですよ。悔しい反面で腑に落ちて、自分が美容を志したときの気持ちを思い出すことができました。そうして向き合って考え直したら、テストも順調に進んでいったんですよ。不思議ですよね。

 

─先輩方に怒られたときはどう受け止めていましたか?

 

もちろん凹むけど、怒られるうちが華だと思っていました。言ってもらうことって自分が成長するためのヒントなので、ありがたさの方が勝っていましたね。言われなくなったら成長が止まる、という感覚でした。今話したように、とんでもないアシスタントだった僕をここまで成長させてくれたのは、apishの教育のおかげだなと思います。こんな僕を諦めずに指導してくれた先輩や、ついてきてくれた後輩がいたから、今の自分があると思う。教える側もパワーがいるし、疲れるし、言わない方が楽なんですよ。それでも、その子のためを思ってちゃんと言えるかどうかで、成長の伸び代は変わると思うんです。僕は言ってもらえてありがたかったですね。

 

 

─もともと、クリエイションに興味があって美容業界を目指されたということでしたが、そういったものに挑戦するチャンスがない期間にフラストレーションが溜まることはありませんでしたか?

 

ほとんどありませんでした。それは、自分のやりたいことは今やっていることの延長線上にあって、今はその準備段階だとわかっていたから。今は目の前のことに集中しようと思っていました。先輩の撮影について行かせてもらうときは、とにかく全てを学びだと思って吸収する心構えで行っていましたね。

それに、環境っていうのは自分で作るものだと思っている部分もあったので。もちろん与えられるものもあるけど、先輩が「こいつには教えてやりたいな」と思うかどうかは自分の立ち振る舞い次第。可愛がられる後輩になると先輩に教えてもらえるし、撮影に連れて行ってもらえたりもする。そういう意味で、僕は先輩に可愛がられる後輩になるのは上手かったのかもしれません。だからこそたくさんの現場に連れて行ってもらえたし、素敵な景色を見せてもらいました。おかげで自分の将来像をはっきりとイメージすることができたので、不満に思うことはなかったですね。

 

二十歳のみんなへ

 

 

僕から伝えたいのは、まずは続けてほしいということ。美容師になれたのは自分だけの力じゃなくて、親が美容学校に行かせてくれたり、周りの協力があったから。なにかあったときには、自分がこの道を志したときの気持ちを思い出して、初心に戻ってみて。できたら、続ける方を選んでくれたら嬉しいですね。辞めるのっていつでもできるから、急いで決断する必要はないと思います。

もちろん、やっていくうちに新しい目標ができることもあるかもしれません。そのビジョンが明確ならいいけど、「今の環境から逃げたい」とか「結果が出ないから」っていう理由なら、絶対に続けた方がいいと思う。そのハードルをクリアできなければ、他の仕事をしても結果は変わらないんじゃないかな。まずは自分に勝つことが大事かなと思いますね。

 

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お金がないアシスタント時代、よく食べていたものは…?

 

 

(文/岩木日向子 撮影/松林真幸 MIKAN inc)

 

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