KIKOさんは、日本で美容専門学校に入学したあと、世界を舞台に活躍することを夢見てロンドンに渡り、ヴィダルサスーン・アカデミーに入学。その後、TONI＆GUY LONDONに入りエデュケーションに携わるまでに。また、アートチームに所属し、ロンドンファッションウィークのバックステージをつとめたり、元ヴィダルサスーンのトップディレクターとのヘアショーを開催するなど、日本人でありながら、世界の舞台でクリエイティブな活躍をしています。「怖いと感じることほど、一歩踏み出して乗り越えれば、より新しく広い世界が拓ける」とKIKOさん。美容の本場ロンドンでどのように技術やマインドを磨き、若くして世界の美容シーンでも認められる存在となったのか。二部にわたって教えていただきました。今回はロンドンでの活躍についてお話いただいた第二部です。

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TONI＆GUY LONDONで働きたいと思い立って

ヴィダルサスーン・アカデミーで学んだあとは一旦日本に帰国しましたが、自分自身を磨き続けていくためには、どうしたらいいのか悩みました。アカデミーでの学びで、自分の技術や意識のスタンダードも上がっており、ここからどうしていこうと考えていたので、海外でサロンを経営するオーナー、ロンドンで活躍する美容師など数多くの人たちに相談をしました。

それまではヴィダルサスーンが一番と思っていましたが、さまざまな方に相談する中で一つの型でなく、さらなるプロフェッショナルの形をめざしたいと考えTONI＆GUY LONDONで働いてみたいと思い立ちました。

TONI＆GUY LONDONはヴィダルサスーンより、自由な雰囲気です。ロンドンで個性を発揮し活躍されている美容師は、TONI＆GUYで経験を積んでいることも多く、ヴィダルサスーンの先生にも出身の方が沢山いらしたので、そこにはすばらしい教育システムがあるのではないかと思いました。そうして思い立ったあと、すぐにロンドンに渡り、TONI＆GUY LONDONのサロンを尋ねました。

新しいサロンでセット技術を身につけて

ワーキングビザを取り、TONI＆GUY LONDONのサロンで働かせてもらいたいと思って訪ねると、オーナーに、「明日、モデルを３人連れてきてカットしてみて」と課題を出されました。翌日なんとか３人のモデルを連れて行き、メンズ、ショート、ボブのカットをすると、褒めてもらいましたが、「私には私のやり方がある。技術が高くても、うちでは雇えない。もし雇うならアシスタントから」ということでした。

その言葉に、オーナーの仕事への厳しい姿勢を感じ、むしろここで働きたいと強く思いました。TONI＆GUY LONDONは、とにかくセット技術が卓越していて、ブロードライで、どんなスタイルでもつくることができます。私はここで、セットの技術をとことん学びたいと思いました。

次の日にも店を訪ね、オーナーと話をし、「フロアで活躍したいのなら他のサロンに行けばすぐにスタイリストとして活躍できるから他にも行ってみたら？」とも言われました。でもやはりTONI＆GUY LONDONで働きたい気持ちは変わらず、最終的には「月曜から１週間夕方の４〜８時の間だけ来ていい」という許可を得ました。アシスタントでもなく、給料もなく、ただ来ていいという許可です。

なんの指示もなく、オーナーから声をかけられることもない中、１週間掃除やシャンプー、お客さまにコーヒーをお出しするなど、できることを探してやり続けることでアピールをし、週の最後にはやる気を買ってもらうことができました。オーナーからは、「あなたはここでより多くを学び、もっとレベルの高い人たちと働くことになる。そのためには、私は厳しく鍛えますよ」と言ってもらい、本格的にアシスタントとして採用されました。

その時「スタイリストになるまで、どのくらいかかるか」と尋ねると「それはあなた次第だけど、最短で半年」と言われました。そこでわたしは「では半年後にはスタイリストとしてフロアに立ちます」と宣言しました。

いざ働き出すと、レベルの高い現場の中で、ネイティブでもなく技術もまだまだのわたしは、仲間と認めてもらうために普通より多くの苦労があり、すれ違いもありました。。でもオーナーは、「ポジティブなエナジーは、ネガティブなエナジーよりも強い。エナジーを高めていけば、そこにはネガティブな人はいられなくなるでしょう」と話してくれ、私もポジティブに自分の仕事に向かうように努めた結果、次第に仲間にも受け入れてもらえるようになりました。

＞TONI＆GUYアカデミー生に選ばれて