激戦と言われる福岡でLond(株式会社One Bloom)が一人勝ちの理由を代表の津賀雅也さんに直撃。1年で3店舗出店を果たしたその戦略とは?

 

リーダーが福岡に拠点を持ち、スタッフと常に過ごしたことが最大の勝因

 

 

会社にはリーダーミーティング、材料ミーティング、SNSミーティングなど、月々の会議がたくさんあり、すべて僕も出席しています。中でも重要なのが、2〜3カ月に1回スタッフ全員を集めて行われる全体ミーティングです。ここでは、スタイリストとアシスタントに分かれて、会社への要望を何でも発言することができるんです。「ヘアショーをやりたい」、「託児所がほしい」などのスタッフそれぞれの要望に対して、その場でできる限り回答していきます。もちろん、実現できないリクエストもあります。その場合は、なぜそれができないのかを丁寧に説明しますし、代替案があれば提案します。こんなことを2〜3カ月に1回繰り返していくと、会社に不満を抱く要素がなくなるので、離職率がぐんと下がります。

 

 

現在、事業計画通りのスピードで新規出店を行い、結果を出していますが、何が最もよかったのか振り返ると、僕というリーダーが拠点を福岡に移し、新しい仲間たちと密接な距離感で働いていたからなのではないかと考えています。そうすることで、東京からでは汲み取れないようなスタッフの不満や考えなどをその目で見て体感して過ごすことができるんです。だから、何よりスタッフとの関わりを大切にしているし、1日1回は全店舗に直接足を運び、コミュケーションを取るようにしています。

僕は今、サロンワークは本当に限られたお客さまの担当をするに留めています。スタッフとしては「社長はサロンワークもせずに一体何をやっているんだろう」と思いますよね。別に遊んでいるわけではなくて、こうして取材を受けたり、会議をしたり、銀行に行ったりと社長としての業務にあたっています。なぜなら、それが今の僕の仕事だからです。僕もスタッフと同じ、労働者であるわけです。それをわかってもらうために、「今日は銀行です」とか「これから会議です」とか、自分の行動はなるべく「見える化」して、「社長もこれだけ頑張っているんだから、自分たちも頑張ろう」とスタッフに思ってもらえるような行動を常に心がけています。

 

 

今年は、5月と10月に天神エリアに新規出店するほかは、社内の仕組み作りをしていく予定です。何の仕組み作りかというと、美容師のキャリアアップ・キャリアチェンジに関することです。今、美容業界は福利厚生や給与形態などが見直され、ホワイトな働き方をしながら売上を追求することができる会社も増えてきました。それなのに、どうして人が辞めてしまうのかというと、ある程度売上を上げたあとの出口となるキャリアモデルを提示できていないからに他なりません。特に、九州エリアでは、美容師からのキャリアチェンジを提示している会社は少ないように見えます。Londでは、FCオーナー、店舗代表などサロンに関わるキャリアはもちろんですが、美容業界ではないキャリアも選択できるような仕組みを作るつもりです。と、同時に九州エリア50店舗展開の準備としてカリキュラムやブランディングの見直しも進めます。天神以外のエリアに進出するために、まずはしっかり地固めをして、再来年にはまず熊本に出店する予定です。僕以上に、スタッフが「九州エリア50店舗、絶対やりましょう!」と熱い気持ちになってくれているので、心強いですよ!

 

 

株式会社OneBloom/代表取締役社長

津賀雅也(つがまさや)

 

福岡県出身。福岡美容専門学校卒。歌手活動を経て美容業界へ転身。Londでスタイリストデビュー初月に160万円達成後は伸び悩み、SNSを開始。ショートヘアが次々とバズり、1年後にトップスタイリストへ昇格。その後、表参道店の副店長などの要職を経て株式会社OneBloomを設立。九州エリアでLondブランドのサロンを50店舗、500名を目標に展開。

Instagram:@short_tsuga

 

(文/須川奈津江 撮影/松林真幸)

 

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