【ROOTS加藤孝子】メンズヘア全盛期を築き、渋谷で創業21年目。リアルな声から生み出したジェンダーレスなデザイン提案とコロナ後の働き方

 

コロナで改めて痛感した”美容師はお客さまありき”


ROOTSは「メンズ寄りのショートにしてほしい」という女の子のお客さまも多いんですよ。女の子っぽいショートがいやな子ですね。もともとショートが好きでこの業界に入ったので、メンズを長く手がけていたことで、ジェンダーレスの幅広いお客さまから支持していただけているのは良かったなと思いますね。あとは、大人女子のお客さまも多いです。歳を重ねても白髪染めで終わらず、マドンナのように個性的でかっこいいヘアスタイルを楽しめる時代になったので、そのサポートができて嬉しいです。


私は高校生から白髪があり、地毛のベースが9トーンくらいあって明るいんですね。ワンブリーチで勝手にベージュになるんですけど、同じような髪質のお客さまにはハイトーンも提案しますし。職場などの社則がなければ、白髪を黒染めする方は少ないですね。今はダメージレスのブリーチ剤もたくさんありますし、おしゃれを楽しんでほしいなと思っています。

 

最近はメンズ美容ブームで男性もエステや脱毛に通う時代です。整形もわりとカジュアルになってきました。お客さまのご相談にいつでも答えられるように、ニキビやシミのケアメニューがあるクリニックなどの美容情報についても、メンズのお客さまからリサーチしています(笑)。例えばヒゲ脱毛ならここがいいよとか、全身脱毛ならあのクリニックがいいとか。料金もしっかりお伝えします。あとは、お客さまの主治医ではないですけど、相談されたときに答えられる体制は時代と共に整えていきたいですね。



コロナ前までは、サロンワークで20分おきにカットして、カラーなど他の施術はすべて他のスタッフに任せていたんですね。朝晩は撮影をしていましたし、全国でセミナーもしていたので、朝一番で新幹線や飛行機に乗って最終で帰ってくるようなライフスタイルで休みもなかったんです。それはそれで楽しかったから問題はないのですが、コロナを機にすべてが止まって。そこから猛烈な働き方を見直して、例えばカットを30分おきに変えたり、パーマやカラーも私が極力、施術するようにしてみたんです。そしたらお客さまがすごく喜んでくださったんですよね。美容師はお客さまありきの仕事なのに、今まで撮影やセミナーなど外部に夢中になっていたな…と気づいて、もっとサロンワークに真摯に向き合いたいなと。あのまま走り続けていたら身体を壊していたかもしれないですし、コロナの数年は大きな転機になりましたね。

 

>> 後編へ続く



プロフィール
加藤 孝子 かとう たかこ
『ROOTS HAIR and MAKE UP』代表

静岡県出身。高山美容専門学校を卒業後、都内3店舗を経て2003年3月渋谷に『ROOTS』をオープン。新しいスタイルを提案する提案型サロンとして注目を集め、高い技術力で一般誌や業界誌に数多く登場。またメンズヘアの先駆者として、セミナー講師やショー、商材開発でも活躍。「カミカリスマ」メンズカット部門で4年連続受賞。著書に『+パーマ簡単補正 メンズヘアの7大お悩み解決BOOK』(女性モード社)、『大人男子のパーマBOOK』(新美容出版)など。
Instagram:roots2003takakokato

(文/織田みゆき photo/宮崎洋)

 

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