「美容師と書道家を両立したい」漠然とした夢が、たった一言で変わった日―LAURUN TAISHIさん

美容師と書道を両立するきっかけをくれた奥田と出会う

 

 

無事に東京で就職が決まり、4月に上京したのですが、6ヵ月でお店をやめてしまったんです。入社4ヵ月で交通事故に遭い、骨折で休まざるを得なくなったとき、そのお店で長く働くイメージも浮かばなくて…。今考えるとかなり勝手だし、現実逃避をしていたなと思うんですけど。

 

その後、短期間スペインへ行って帰国。もう一度、東京で一人前の美容師を目指そうと、今度は自分が本当に働きたいと思うお店を探しました。そのとき友だちに「TAISHIにはこのサロンが合うかも」と言われたのが、現LAURUNのプロデューサー兼フォトグラファーである奥田が店長を勤めるサロンでした。それで、話を聞くためにお客としてカットに行ってみました。

 

奥田と話をしてみて、「この人と同じお店で働きたい!」と強く思いました。このときは、奥田が美容師としてだけでなくフォトグラファーとしても評価されていたことは知らなかったのですが、写真集や音楽などいろいろなことを知っていて、男として憧れる部分が多かったんです。

 

それまで僕は、心のどこかで「美容師は美容師の仕事に専念するべきなんじゃないか」「美容以外の活動はあまりよい印象ではないんじゃないか」と思っていて、美容と書道を両立したいという話をあまり人にはしてきませんでした。だけどそのとき、奥田には「将来、美容師と書道の両方をやっていきたいんです」という話をしたんですよね。そうしたら、「それ、やったほうがいいよ!」と後押してくれて。

 

その言葉は、「美容師でも他のことを堂々とやっていいんだ!」と、僕の固定概念をいい方向に覆してくれました。それで、後日履歴書を持って行き、そのサロンで働くことになりました。

 

そこからスタイリストになり、美容師としての自信がつきはじめたタイミングでLAURUNへ転職しました。お店のサイトに僕のプロフィール欄を作るとき、奥田が「肩書きにカリグラフィー(※1)も入れてみよう」と言ってくれ、美容師兼書道家と公に打ち出していくことになりました。

※1カリグラフィー:意味は線を引く人。英語で書道家を表す。

 

 

書道家としての活動を開始! はじめはお客さまからのリクエストだった。

 

 

書道家としての活動のはじまりは、お客さまとの話の流れで、書道の動画をインスタグラムに投稿したこと。投稿した後にお客さまがすぐにメールで「動画いいですね! 今度はあの字を書いてください」ってすごく喜んで、リクエストをくださったです。それでインスタグラムの投稿をどんどんしていくようになりました。

 

そのうちに、友人の紹介で「anagra」というギャラリーのキュレーターの方と知り合い、書道家として初めての個展をすることになったんです。その後も口コミや知り合いの紹介で、湘南T-SITEで展示する機会をいただいたり、中目黒のTHE WORKSというコーヒーショップのギャラリースペースで個展をさせていただいたり。昔から漠然と思い描いていた夢が現実になっていきました。

 

当時は、次の個展で失敗したらどうしようとか、新しい作品を作り続けなきゃってすごくプレッシャーを感じて、ビビってしまうこともありました。だけど、作品を作るのはすごく楽しいし、でき上がったときに湧き上がる早く人に見てほしくなるような感覚とか、ワクワク感が勝っていました。今でも、次は失敗したらどうしようって思うときはありますけど、見てくれた人たちからの「いいね」という声をまた聞きたいとか、高揚感をもう一度味わいたいという気持ちも生まれてきて、それが今の制作の原動力になっています。

 

 

>書道をしたことで鍛えられた力とは?

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