輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」−第4回MR.BROTHERS CUT CLUB原宿店 店長ジュリアンさん

辞めたいけど理由がない! 行き着いた先は…

 

 

技術面でも苦労しましたね。原宿のサロンは、レディースカット中心のカリキュラムだったのですが、「こういうのがおしゃれ」とか「こういうのがかわいい」って正解がないし、スタイルにゴールがないように感じられて、もうレディースカットの魅力がわからなくなってしまったんです。

 

だから、同期がカットチェックに合格していく中、僕は遅れていました。前のサロンでは問題児だったと思います。つきっきりで社長の娘さんが夜中まで練習につきあってくれたこともありましたね。今思えばありがたいことなんですが、そのときもやはり「レディースカットじゃないかも」という違和感がありました。

 

 

美容師になるときって、どうしてもフォーカスするのはレディースのカットですし、メンズカットをやりたいとかってあんまり考えていなかったのですが、就職して1年で話しやすいのはメンズだし、自分も男だし、かっこいいものを作りたいという思いは強まっていきました。

 

何度も辞めようとは思うんですよ。でも、ほかにやることもないし、辞める理由がない。「なんて言って辞めよう」って考えるんですけど、「人間関係」も違うし、「この仕事に向いていない」って見習いであるアシスタントの僕が言うのも違う。

 

一度、シャンプーで腰を痛めたら辞められると思って変な体勢でシャンプーしていたら、逆に腰が強くなっちゃいましたね(笑)。

 

 

あとは手で壁を殴り続けたら、翌朝グローブみたいに手が腫れたんですよ。「これで辞められる!」と思って、店に行って「こんなになっちゃったのでできません」って言ったら「じゃあ治るまでレセプションやって」と言われ…。「そうか、それはできるかも」とまた辞めるのに失敗。

 

もし自分が本当に不器用で、カットするたびに指を切ってしまうとか、手荒れとか、わかりやすい理由があれば辞めていたかもしれませんが、そういう理由が見つからなくて続けていたような感じです。

 

ただ、「なんとなく嫌だから」という理由では辞めたくなかったんですよ。「辞めたい辞めたい」と思うけど、何が嫌で辞めたいんだろうって考えると、結局「自分が前に進めないのが嫌なんだ」っていうことに行き着きました。

 

>やりたいことを見つけられたら、あとはのめり込むのみ!

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