髪の毛を失った子どもたちへ無償でウィッグ提供する団体の実態-NPO法人Japan Hair Donation & Charity(JHDAC)の活動とは?-

どんどん変化していく鏡に映る自分の姿

 

-提供された子どもたちにはどのような影響がありましたか?

 

「今までウィッグを提供した子どもたちは、みんなキラキラした笑顔が印象的です。

 

それまで鏡の前に立つのさえ躊躇していたお子さんが、ウィッグのカットが進むにつれ、だんだん笑顔になりキラキラした目で鏡の中の自分を見つめるんです。

 

『帰りにヘアアクセサリー買って帰ろう!』と話している満面の笑顔を見せられると、こちらまで笑顔にさせられます」

 

もっと子どもたちに笑顔を届けたい

 

-最後に、活動実績やこれを読んでくださった方にお伝えしたいことがあればお願いします。

 

「現在(2014年9月)までのフルオーダーのウィッグ提供者数は41名です。

この活動をスタートして6年になりますが、発足当時は髪も寄付金も集まらず、サロンの売上を活動資金に充てたりもしておりました。ここ数年でやっと認知度もあがり、全国から毎日郵便で30通近く髪の毛が届きます。

 

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しかし、髪の毛が集まってもウィッグ制作には費用がかかりますし、採寸やカットをする美容師の数も足りません。結果的に、ウィッグを希望するお子さんを常に待たせている状態です。活動を多くの人に知っていただくだけでもありがたいのですが、この活動を支援し、存続させてくださる方が必要です」

 

-貴重なお話を本当にありがとうございました。

 

 

どんなに素晴らしい活動でも、周囲の助けがなければ存続はできません。わたしたちも「誰かがやっている」という意識から「どうしたら力になれるのか」ということを考えていかなければならないですね。

この記事が、みなさまに美容の可能性や社会貢献について考えていただくきっかけになればと思います。

プロフィール
NPO法人Japan Hair Donation & Charity(JHDAC)事務局長
渡辺 貴一(わたなべ きいち)

日本で数店舗を経て渡米し、NYのトップサロンに勤務。
帰国後、ヘアーサロンにてカラー・ダイレクターを経て2008年に「THE SALON」を設立。

(文:駒場 千尋)

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