Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×メディアアーティスト 市原えつこ (後編) 大事なのは「義理仁義」凡人の前提に立ち戦略的に立ち回る

 

渋谷のヘアサロン「LECO」の代表、内田総一郎さんは音声メディアVoicy(ボイシー)で「soucutsの美容師ラジオ」という番組を運営しています。今回のゲストはメディアアーティストの市原えつこさん。触ると喘ぐ大根「セクハラインターフェイス」や現代の奇祭「仮想通貨奉納祭」などの作品で話題を集めてきました。そんなちょっと普通ではないメディアアーティストと内田さんの異業種対談を前編・後編に分けてお届けします。今回は後編です。ぜひ前編と合わせてご覧ください。

 


 

「見た目に気を使うやつは逆にいけてないという空気の中で生きてきた」(市原)

 

 

内田:アーティストとして活動を始めて5年でしたっけ?

 

市原:ほぼ5年間です。よくもまあこんなよくわからない仕事で食べてこられたなと。

 

内田:色々なところで作品を見ますし、市原さんがメディアに出ることも多いですよね。

 

市原:内田さんのおかげです。

 

内田:メディアに出る前に髪の毛を切りにきてくれますよね。自分自身も表現の一端を担っている部分もあるんですかね。今日も巫女さんの格好できていただいて。

 

 

市原:元々は会社員時代に巫女をテーマにした作品プランを東京都現代美術館の若手アーティスト向けのコンペティションに出したんです。その作品が準グランプリになり、作品プランを実現するために巫女の服を買ったんですが、色々あって作品はお披露目できず……せっかくなので手元にあった巫女の服だけでも着てみるかと思ったのが最初ですね。

 

美容業界の方からすると信じられない話だと思いますが、IT企業の開発チームで働いていたころは、「見た目に気を使うやつは逆にいけてない」みたいな空気がありました。「開発してるITサービスのTシャツとかを雑に着てるのがかっこいい」みたいな。自分もそこに染まっていたので見た目に全く気をつかっていなかったんです。ただ、個人として仕事をするようになり、メディアに自分の写真が出たりするようになると「クッソ地味だな」と愕然としました。やっぱり見た目はその人を特徴づけるんだなと、ビジュアルの重要性を痛感しました。

 

内田:それで髪の毛を切りにきてくれるようなったと。

 

 

市原:2017年頃、「アーティストとして、ブランディングも含めて気合いれてやらないといかん」と考えていたときにInstagramで内田さんを知りました。せっかくなのでこの機会に、クリエイター目線で、内田さんのお仕事の何が素晴らしいかお話ししたいです。

 

作品をプロモーションするのも作家の仕事。メディアに出るときは最低限の見栄えは担保しないといけないですし、クリエイターの世界観やキャラクターにあっているかどうかがすごく重要です。表現者の場合は普通にモテたいわけでも、婚活市場でよく見られたいわけでもない。自分の作家性と合っていて、メディアでいい感じにアイキャッチがあることが大事。カルチャーシーンを理解しながら「メディア映え」を考えてくれる内田さんの存在はすごく貴重です。

 

あと、美容業界のスターである内田さんにお願いするからには、こちらも最低限、人間としての見た目は保たなきゃいけないとプレッシャーがかかりますし。もしそれがなかったら、怠惰な人間なのでもっと放送事故的なビジュアルでメディアに出ていたと思います。

 

内田:あははは(笑)。自分で言うのもなんですが、かっこいいハンサムショートになっていると思います。美容師的にいうと市原さんの髪は結構難しいんですよ。

 

 

市原おかげさまで3ヵ月くらい放置しても全然大丈夫なんですが、よく寝癖つけたままテレビに出たりしているので、内田さんに切ってもらっていることを公の場で話したら内田さんにとって不名誉じゃないかと心配なんですけど……。

 

内田いやいやそんなことないけど(笑)。

 

>「あんなエッジの効いたものつくっておいて凡人ですか。」(内田)

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング