美容師のコトダマ オーストラリア滞在中に唱えた“継続は力”が、今も僕の成長を支えている。 ZACC raffinéスタイリスト伊藤塁さん

 

第一線で活躍する美容師の人生を変えた「言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。人気店ZACC raffinéでトップの売上を記録した伊藤塁(いとうるい)さんは、Instagramのフォロワー6万人のインフルエンサー美容師であり、「ほうじ茶ラテカラー」の第一人者でもあります。意外にも、27歳でヘアサロンに就職した「遅咲きの人」でもある伊藤さんに、今も心に刻まれている言葉を紹介していただきました。

 


 

「どんな境遇でも祖母は愚痴を言ったり、悪口を言ったりしなかった」

 

 

 僕の祖父は画家で、祖母は教師でした。画家として生活を成り立たせるのはなかなか大変で、祖母の給料が頼みの綱だったそうです。芸術家気質の祖父を、祖母が支えるという家庭でした。祖父はまだ僕の父が小さいときに亡くなっているんです。そのため、ほとんど女手一つで子育てをしていたという話を父からは聞いています。

 

二人の子どもを、祖母が一人で育てるのは大変だったと思います。父がグレて迷惑をかけたこともあったそうです。それでも大人になるまで育て上げて、やがて孫である僕が生まれました。

 

 

たしか僕が中学生になったくらいだったと思うのですが、祖母がアルツハイマー病でボケてしまったんですね。僕はおばあちゃんの家によく遊びに行っていたのでショックでした。

 

あるとき父から、昔の祖母の話を聞く機会がありました。「母の口から一度も愚痴や、人の悪口を聞いたことがなかった。いつも前向きでどんなことがあっても笑って、周りを和ませるような人だった」と。その言葉がすごく響きました。

 

絶対に自分も愚痴や悪口を言わない人間になろうと決めたんです。その言葉に自分が形成された部分は確実にあって、何か嫌なことをされても「この人にもいいところがあるはずだ」と考える習慣ができました。もちろん僕も人間なので、愚痴をこぼしたくなることもありますが、ぐっと飲み込むようにしています。

 

「継続は力なり」「努力は報われる」「チリも積もれば山となる」

 

 

自分で言うのもなんですが、高校生まで世渡り上手な生き方をしていたと思います。それほど努力しなくてもなんとなく上手くいってしまっていました。友達もたくさんいましたし、勉強もそんなにしなくてもある程度できるし、中途半端な人生を送っていたんです。

 

世渡り上手である反面、将来の展望もなくただただ漠然とした不安がありました。何もしないまま流されてフリーターになるのが怖いというか…。

 

そこで、とりあえず方向性を決めようということで、叔父が美容師で姉も美容師で、両親もファッション関係の仕事をしているので、自分も美容・ファッション系に進めばなんとかなるかもしれないと軽い気持ちで進路を決めました。

 

そんなモチベーションで美容専門学校に入ったから、優秀な学生ではなかったですね。学校の単位はギリギリで進んで練習もあまりしていなかった。国家試験さえ受かればなんとかなるでしょみたいなノリでした。

 

 

でも20歳ごろにふと「何かを変えないと自分は一生、中途半端なままだ」と思い、新しい挑戦をして、それをやり切る体験をしようと決めました。「海外に行く」というぼんやりとした夢があったので、とりあえずそれを実現することにしたんです。

 

美容専門学校卒業後も就職せずアルバイトを3つ掛け持ちして、1年間で300万円くらいお金を貯めました。誰の力も借りずに海外に行くためです。そうしてオーストラリアでのワーキングホリデーがスタート。海外に行くのも初めて、しかも英語も全く話せない状態でした。「死んでもいいから、やれるだけやって帰ろう」みたいな開き直りもありましたね。

 

>ヘアメイクに進むきっかけとなったDaniel Manziniとの出会い

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