「努力するな」「数字を追うな」「生まれ変われ」──韓国ヘア・ワンホンで支持を集める美容師・ikiみつゆを変えたコトダマ

94年組美容師仲間の言葉「数字を追うな」

 

 

美容師2年目、渋谷のサロンでアシスタントをしていた頃。カラーリストとしてはお客さまに入れるようになり、徐々に「売上」という数字を意識し始めていました。ただ、なかなか伸ばし方のコツが掴めずにいたんです。

そんな時期、当時は別のサロンだった同学年の美容師仲間であるTENDO(現iki代表テンドウさん)やSHOKI(現ALLZ代表ショーキさん)と、モデハンをしたり飲みに行ったりする中で刺激をもらっていました。中でもSHOKIは、当時から着実に売上を伸ばしていて。傍から見ていても明らかに結果を出していたので、どうしたらそんなに売上が上がるのか、率直に聞いてみたんです。

 

そのとき返ってきたのが、「数字を追い出したら、大事なことが見えなくなる。数字を追うな。お客さんやモデルさんの“ありがとう”の数を追え。」という言葉でした。

 

 

今振り返ればシンプルで本質的な話なんですが、当時の自分は売上のことで頭がいっぱいだったので、かなり衝撃を受けました。

大事なのは、どれだけお客さまに喜んでもらえるか。そのために必要な技術と、人間性を磨くこと。そこにしっかり向き合っていれば、数字はあとからついてくる。

この考えに切り替えてからは、「いかにお客さまに喜んでもらうか」に集中できるようになり、結果として数字も少しずつ伸びていきました。

まだ早い段階で、この本質を同期から教えてもらえたのは本当に大きかったし、すごく恵まれていたと思います。

 

 

フリをしろ!思い込め!なりきれ!

 

 

同じ頃、TENDOから言われた言葉も強く印象に残っています。

当時はまだアシスタントで、給料も少なく、生活するのに精一杯。美容師という職業柄おしゃれをしたい気持ちはあるけれど、ファッションにそんなにお金をかけられないのが正直なところでした。

そんな中、同じアシスタントだったTENDOは、いつも少し背伸びしたブランドの服を着て、隙なくキメていました。「おまえ、めっちゃ儲けてるやん」と冗談半分で言うと、「いや、飯抜いて全部これに使ってる」と。驚いてなんでそこまでやるのかと聞いたところ返ってきたのがこの言葉でした。


「無理しないと着れないレベルの服を着て、自信のある人間のフリをするんだよ。そう思い込んでなりきっていたら、いずれ本当にそうなる。」

 

彼は実際に、高価な服を選び、外食もあえて高級店を選んでいました。環境ごと自分を“そういう人間”に寄せていく感覚です。

 

 

この「フリをする」という考えは、今の仕事にも繋がっています。店長として人に教える立場になり、セミナーで話す機会も増えましたが、正直なところ、人に教えることも人前で話すことも得意なわけではありませんでした。

それでも、やるからには“できる人のフリをする”“ 自信がある人として振る舞う”ということを意識してきました。最初から本当に自信に満ちている人なんて、ほとんどいないと思うんです。だからこそ、先にその状態を演じて、自分をそのレベルにどうにか引き上げていくようにしていました。

 

>煮え切らない自分を変えた「お前、死んでみたら?」

 

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