「努力するな」「数字を追うな」「生まれ変われ」──韓国ヘア・ワンホンで支持を集める美容師・ikiみつゆを変えたコトダマ

煮え切らない自分を変えた「お前、死んでみたら?」

 

 

スタイリストになりたての頃。世の中がギャルスタイル全盛期の中、僕は次に来ると思っていた韓国スタイルを打ち出し始めていました。ただ、なかなか結果は出ず。売上的にも鳴かず飛ばずの状態でした。

 

そんなある日。営業後の22時頃、サロンで一人カットの練習をしていたんです。するとその頃同じ店で働いていたTENDOに呼び出されました。

そしていきなり言われたのが、「お前、死んでみたら?」という言葉でした。

今なら完全にアウトな一言ですが(笑)。当時の僕は驚きながらも、他でもないTENDOの言葉ですし、何か意味があるんだろうと思いました。

 

韓国スタイルを打ち出してはいたものの、周りからは「売れるわけがない」と否定的な声も多く、空気としても完全に逆風。その中で自分自身も、どこか中途半端になっていた部分があったと思います。そんな僕を見ていたTENDOは「その中途半端をやめて、やるなら全部捨ててゼロから作り上げろ!まだまだできる!生まれ変われ!」という叱咤と応援をこの言葉に込めてくれたんです。

 

 

実際、当時の自分はSNSのペルソナも曖昧で、技術や打ち出し方にも“やり切れていない”甘さがありました。TENDOのこの言葉と、その後真夜中まで続いた激励で、甘さを捨て、腹を括ることができました。

 

それからは徹底的に韓国ヘアの打ち出しへと振り切りました。他サロンで韓国ヘアに精通する美容師の元に話を聞きに行き、発信の仕方を研究し、実際に韓国へ渡って現地のスタイルを学びました。さらにファッションやカルチャーまで掘り下げて、自分の中で一本の軸として作り上げていったんです。

 

 

すると徐々にお客さまが増え、「韓国ヘアといえば」と名前を挙げてもらえるようになっていきました。今は打ち出しをワンホンヘアにシフトいますが、その切り替えにも全く抵抗がありませんでした。一度“全てをゼロにして生まれ変わる”経験をしているからこそ、新たなチャレンジへの恐怖がなくなっていたんです。

その時もTENDOは全面的にやってみろよと背中を押してくれましたし、「何かあっても俺がなんとかするから」と言ってくれました。

 

今、ikiもスタッフが増えてきていますが、この「全て捨てて、ゼロから作り上げる」というマインドは確実に受け継がれていると感じています。流行に関わらず好きなスタイルに挑戦する子、海外に飛び出す子、リスクを取ってでも前に進もうとする子が増えています。

自分がそうしてもらってきたように、これからはスタッフの挑戦に本気で向き合い、背中を押し続けられる存在でありたいと思っています。

 

プロフィール
みつゆ/『iki』ディレクター
大阪府出身。関西美容専門学校を卒業後、上京。都内2店舗を経て、2019年9月から『iki』オープニングスタッフとして参加。韓国オルチャンヘアやロートーン系の艶髪スタイルを得意とし、美容感度の高い女性客から圧倒的な人気を誇る。また中華系ワンホンヘアにもいち早く注目し、中韓MIXスタイルを発信中。
Instagram:@mitsuyu_iki

 

(文/池谷美歩 撮影/菊池麻美)

 

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