3年3カ月の育休を経てサロンに復帰した今思うこと

仕事を辞めたいと思ったことは一度もないけれど…

 

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毎日のようにサロンに立っていたら、大変だなと思うこともあります。でも、私は一度も辞めたいと思ったことはありませんでした。というのも、私の心の支えは仕事。サロンワークに没頭することで、嫌なことを忘れるという感じなんですよ(笑)。

 

ただ、妊娠してからは少し変わりました。つわりが酷かったので、周りのスタッフにフォローしてもらいながらサロンワークをしていたのですが、「やっぱり人数が少ないサロンだし、これ以上迷惑をかけたくないな」と思って、オーナーに気持ちを伝えたんです。そうしたら、「この先どうするか話をしよう」と言ってくれまして。それで、産休・育休を取らせてもらえることになりました。

 

結局、産休・育休あわせて3年3カ月の間、休ませてもらいました。早く復帰しなかったのは、サロンに迷惑をかけないため。子供が小さいうちは、よく熱を出したりして、預けたところに迎えにいくことも多いからです。

 

私は仕事に支えられてきた人間なので、サロンワークから遠ざかるのは苦痛でした。なので、完全に休んでいたわけではなく、ときどき手伝いをさせてもらっていたんですよ。ちょっとシャンプーをさせてもらうとか、そのくらいでしたけれど、いいリフレッシュになりました。

 

子育ては苦行…それができればなんでもできる!

 

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復帰してから月曜日と水曜日だけの勤務で、夕方には子供のお迎えにいきます。サロンワークも家事・育児も無理のない範囲でやらせてもらっているので、両立させるために苦労することもありません。本当に私は恵まれているなって思っています。

 

美容師の場合、産休前のポジションにすぐに戻ることは難しいでしょう。でも仕事が好きなのなら、自分のやれることを探すべき。続けていけば、必ず次につながっていくと私は信じています。だから、結婚や出産で美容師の仕事を諦めてほしくありません。

 

それに子育てができれば、どんな仕事もできるって私は思います。だって、ある意味、子育ては苦行ですから(笑)。忍耐力とか人を想う気持ちとか、子育てを通じて学ぶことは多いです。育児のストレスで帯状疱疹や不眠になるなど、何かしらの体の不調をきたす人もいるほどハード。育児よりも大変なことって、あんまりないと思うんです。

 

ちなみに、夫は盆栽技師なので、ウチの子は、両親が二人ともハサミを持っていることになります。だから、成長したらどうなるか楽しみです。結婚当初から「盆菜と美容を組みあわせたお店をつくりたい」という夢もあるので、それもいつか実現したいですね。

 

とはいっても、私はまだ最近復帰したばかり。こういう環境で働かせてもらっていることに心から感謝しながら、目の前の仕事を一つひとつていねいにやっていきたいです。

 

♦♦♦ 応援メッセージ♦♦♦

不安になりやすい人は先を考えすぎないで!

 

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人生は一瞬の積み重ねでできていると思っています。なので、今自分がやれることを大事にやってきました。若いうちは、先のことばかり考えてしまって、不安になることもあると思います。でも、それに引っ張られてサロンを離れるのはもったいないです。実際やってみたらできることも多いので、ぜひ目の前の仕事や、今この一瞬に一生懸命になって不安を吹き飛ばしてください。

 

プロフィール
penser beaute salon
スタイリスト/小棚 才織(コタナ サオリ)

埼玉県さいたま市出身。特殊メイクやテレビ出演者ヘアメイクに憧れて美容専門学校へ。卒業後、都内の店舗を経てpenser(パンセ)で美容師生活を本格的にスタート。勤務歴20年を超える生き字引的な存在。現在は3歳の子供の育児とサロンワークに勤しんでいる。

(取材・文/外山 武史  撮影/菊池 麻美)

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