スタッフの入れ替わりに震災…長かった助走期間は、仲間と「下北らしさ」を突き詰めた青春のような時間だった -10年サロン「Magico」のブランディングストーリー前編

2006年〜2007年 「下北らしさ」模索期

妹と2人きり。家族経営の小さなサロンからのスタート

 

 

『Magico』は2006年、下北沢にオープンしたサロンです。もともと親戚にお蕎麦屋さんや喫茶店などのお店を経営している人が多かったので、僕も将来は自分の店をやるんだと思っていました。美容師になって最初は大手のヘアサロンに勤めましたが、当時から起業する気満々でしたね。

 

下北沢のサロンで働きだしたのは29歳のころ。下北沢は高校が近くだったので、馴染みがあったんです。それから数年働いたあと、31歳で独立。同じく美容師をやっていた妹と2人で『Magico』をオープンしました。

 

当時の店舗はビルの1階の一部を間借りした10坪ほどの狭いスペースで、セット面が4面、シャンプー台が2台。アシスタントも雇わず、スタッフは僕と妹の2人だけです。

 

このころはネットが発達していないので、独立してもお客さまに連絡する手段がありませんでした。だから最初は店の前で手書きのチラシを配ったり、ボードにメッセージを書いて店頭に置いたりして集客していましたね。家族経営の小さなサロンという感じで、のらりくらりと楽しくスタートしました。

 

「下北らしさ」を突き詰めると、自然と人が集まってきた

 

 

僕は下北沢でずっと遊んでいたので、「下北らしいお店を作れば、絶対に人が集まるサロンになる」という自信がありました。

 

下北沢って、駅前の大手書店には人が集まらないけどヴィレッジヴァンガードはいつも混んでいたり、古着屋でも人気の店と人がいないお店がはっきり分かれたり、けっこうクセがあるんです。

 

その「下北らしさ」を言語化するのはなかなか難しいですが、大手や有名店ができないような個性的なものにこだわることだと思います。『Magico』も、そうして「下北らしさ」を生かしながら店舗を作っていったら、自然とお客さまが集まり、稼働率が上がっていきました。

 

スタッフもお客さまと一緒で、「下北らしさ」に自然と集まってきてくれました。求人もチラシや店頭のボードを使いましたが、これまでに出会ったスタッフや、その紹介で入ってきてくれたスタッフも多かったです。最初はお客さまだったけど、縁があってうちで働くことになった子もいますよ。

 

そうして集まってきてくれた仲間たちは、「大手でできないことがしたい」「自由な雰囲気の環境で働きたい」という人が多かったですね。小さなサロンならではのアットホームな雰囲気を気に入ってくれたのだと思います。

 

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