15年を越えてようやく当初の目標に立った。個性を明確化したサロンづくりで、店舗数急増を実現 -10年サロン「Magico」のブランディングストーリー後編

未来 インナーブランディング期

15年目を迎え、ようやく当初の目標にたどり着いた

 

 

2006年にオープンして、2020年で15年目です。最初のアットホームな経営と現在の経営は大きく違うように見えますが、僕の感覚としてはあまり変わっていません。あのときも今もはじめてのことばかりで、仲間を集めてドキドキしながらやっているので。見ている景色は同じで、それが螺旋階段のように登りながらも2周目や3周目になっているというイメージですね。

 

実は、2006年にオープンしたときに「100人くらいの仲間がほしい」と思い描いていました。現在、グループ全体のスタッフがちょうど100人ほど。だから今は、ようやくここまでたどり着いた! という感じです。

 

現在はコラボも含め、13店舗あります。店名や内装、コンセプトはバラバラですが、グループとしての共通点もたくさんあります。LINEグループで日報を共有しているし、スタッフのマインド形成やハウスルールも同じ。最も大切にしているお客さまへの向き合い方のような核はみんな同じなんです。

 

『Magico』は、ディズニーランドみたいな経営がいいなと思っているんですよ。ディズニーランドって、それぞれのエリアでアトラクションもテイストも全然違うけど、統一されたものがあるじゃないですか。中心になるコアがあって、その周りでみんなが自由にやっているのが理想ですね。

 

成長し続けるために、今年は「踊り場」を作りたい

 

 

2020年の春には新たに2店舗がオープン予定です。その中には新たな挑戦もあります。でも僕としては、2020年は「踊り場」を作る一年にしたいと思っています。

 

ここ数年は外部への露出でグループの注目度が高まってきました。もちろんそれは大切なことです。しかし、今後新たに入ってくるスタッフと意識を共有するためには、インナーブランディングも必要。人数が増えてもいい組織であり続けるために、力を入れていきたいです。

 

僕が考えるいい組織とは、とにかく美容師が楽しく働けて、輝ける職場。そのために、出店のペースは落としてもいいので、労働環境をさらに整備したいと思っています。具体的には、一つのサロンに在籍するスタッフの数を増やします。これによって二交代制を可能にし、無理なく働ける環境を整備します。一方で、実績を積みたいスタッフはロングで働けるようにするなど、誰もが自分の理想通りに働けるようにしたいですね。

 

今年からは、出店を続けてきたここ数年とは違う新たな挑戦がはじまります。一緒に働く仲間を大切にしながら、いい組織とは何かを考え続けたいと思っています。

 

 

プロフィール
Magico
代表/上原潤一郎(うえはらじゅんいちろう)

神奈川県出身。大手ヘアサロン、下北沢のヘアサロンを経て、2006年に31歳で独立し下北沢に『Magico』をオープン。現在は東京を中心に13店舗を展開するほか、2020年にも新規店舗をオープン予定。

 

(取材・文/小沼理 撮影/河合信幸)

 

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