18年間続けてきた試行錯誤。組織のために、若い世代へバトンタッチしていく ―10年サロン「SORA」のブランディングストーリー後編

2009年〜2014年 安定とさらなる思索期

切羽詰まった状況を変えるために新規出店。経営は好調へと向かう

 

 

2009年には学芸大学に『SORA』の3号店をオープンしました。当時は全体をどうやってまとめて次の手を打つか考えていて、切羽詰まっていたころ。新規出店をすることで、流れを変えようと思っていました。

 

2店舗だとお互いの主張が強くなり対立してしまうことがありましたが、3店舗に増えたことで、いい方向に向かっていきました。バランスがとれて、それぞれが程よく意識し合うようになったんです。店舗が増えたことで認知度も上がり、売上もさらに伸びていきました。

 

代表が3人いるので、お店を3店舗作るのはオープン当初からの目標でした。その目標を達成して、少しずつ次のフェーズに向かって行けるようになったと思います。

 

若い世代の価値観を受け入れ、内部体制を見直す

 

 

経営が軌道に乗る一方で、次の一手を出すまでには時間がかかりました。それに、この時期は僕たち経営者と、新しく入ってくる世代の間で価値観のギャップが大きくなっていたので、労働環境や給与など、内部の見直しに力を入れていました。

 

僕たちの世代はブランドサロンで働くことやデザインが何よりも大切でしたが、今は求人しようと思ったらお金や休日などをしっかり用意したうえで、アットホームな環境や、きちんとした教育があることなどを打ち出す必要があります。求められるものが変わってきているなと感じましたね。

 

また、異変に気付いたときには手遅れというケースが多くなってきました。僕たちがスタッフと直接話す機会が少ないこともあるのですが、急に辞めたいと言われるようになり、もっと手前で何かできることがあったんじゃないかと考えることが多くなりました。各自と面談をする、店長がアシスタントや自分の店のスタッフと話せる時間をもっと増やすなど、これまで以上にコミュニケーションを積極的にとらないといけないと思うようになったのもこのころでした。

 

>守るべきものが大きいからこそ、思い切ってクリエイティブに移行する

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