丁寧な似合わせと高い技術で予約が止まらない人気サロン『Say.（セイドット）』。代表・戸﨑亨祐（とさき こうすけ）さんが率いて2020年表参道に誕生し、翌春には同エリアに2店舗目、そして今年9月中旬、待望の3店舗目がオープン。選んだ場所は、福岡のおしゃれスポット・天神です。現地スタッフの中心となるのは、ショートで絶大な支持を得る吉田伊織（よしだ いおり）さんと、切りっぱなしボブで大人気の安富佳祐（やすどみ けいすけ）さん。東京と福岡を交代で行き来しながら、”2拠点美容師”として新たな働き方をスタートさせました。表参道の本店に伺い、3人に福岡店への思いや今後の展開などについて聞きました。

＜プロフィール＞

戸﨑 亨祐（とさき こうすけ）／『Say.』代表

栃木県出身。資生堂美容技術専門学校卒業。栃木県内のサロン1店舗を経て、都内の地域密着型サロンに転職。その後、面貸しサロンや店長業務を経験し、有名店『GARDEN』に入社。トップスタイリストなどの要職を経て独立し、2020年4月表参道に『Say.』を立ち上げる。2021年3月、2号店 『Say. Ree』を出店。今年9月、福岡に3号店『Say. FUKUOKA』をオープンさせる。

Instagram：@ k.tosaki

吉田伊織（よしだ いおり）／『Say.』取締役

福岡県出身。大村美容ファッション専門学校卒業後、都内人気サロンに入社。顧客ニーズに合わせたトレンドデザインを提案し、ホームケア対応の仕上がりを徹底的に追求。2020年『Say.』オープニングメンバーに参加。丸みのある柔らかいシルエットのショートボブをSNSで発信し、毎月100人を超える新規指名を受ける。

Instagram：＠hair_iori

安富佳祐（やすどみ けいすけ）／『Say. Ree』店長

山口県出身。福岡の大村美容学校卒業後、上京。都内人気サロン勤務を経て、『Say.』のオープニングメンバーに参加。顧客ニーズをとことん追求した「切りっぱなしボブ」が大ヒットし、新規顧客の指名が毎月200名超えと大盛況。10代から60代まで幅広い年代の顧客を抱える人気トップスタイリスト。

Instagram：@domiyasu

2拠点で働くことの可能性を1年かけて探りながら、ついに実現化

—福岡出店、おめでとうございます！　東京で忙しく働きながらの準備はさぞかし大変だったと想像しますが、そもそも福岡に出店した理由は？

戸﨑：吉田と安富が福岡の専門学校を卒業しているので、二人の福岡への想いが強いことが大きかったですね。うちはアシスタントも九州出身の子がいるので、わりと人情味あふれる九州マインドの子たちが多いんですよ。他人を思いやって助け合える人間関係ができているし、自分でもこんなに温かいお店が作れると思ってもいなかったので、九州出店を考えたときにSay.にとっていいイメージしかなかったですね。

吉田：僕には福岡は地元でもあるので、2拠点で働くことで生まれる可能性については、美容師になったときから考えていました。よくあるのが、都内で活躍していた美容師さんが地元に帰ってしまい、お客さまが次の美容師さんを探すことに苦戦するパターン。美容師が地元と東京を行き来して働けたらその問題はクリアできますし、そうすることで両エリアのお客さまを同時に幸せにできるのも嬉しいなと。まず自分たちがやってみて、うまく機能すればこれからの美容師の働き方の幅も広がるかなと思ったんです。

安富：それで去年の夏、僕と吉田の二人で一度試してみようということになって。東京を拠点に働いている自分たちが、どれくらい福岡でお客さまを呼べるのかも検証するために、1日だけ福岡のサロンの一角を借りて、営業してみたんですよ。インスタで発信して予約を受けつけたら、すぐに枠が埋まりました。

吉田：１日限定のサロン探しは大変でしたけど、なんとか知り合いを通じてセット面を借りることができました。実際にサロンに立ってやってみたら、お客さまがすごく喜んでくれて。「東京までなかなか行けないから嬉しい」という声も多かったし、「今まで美容師さんにショートを断られていたんです」とか、「可愛くしてもらえると思って来ました」とか。ショートの需要を感じたし、期待いっぱいで来てくれているのが分かったので、これはうまくいくかもと思いましたね。それで、1年かけて出店に向けて動き始めました。

＞夏休みを使って、新店舗の準備と住む家の準備を3人でコツコツ