「雑誌の誌面のその先に、人生は続いている」 ヘアライター/佐藤友美さんが語る美容業界

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美容業界と読者との翻訳家でいたい

 

-佐藤さんご自身がこれからしてみたいことはありますか?

 

佐藤さん「そうですね…。私の原稿って、『こぶしがきいている』って言われるんです(笑)。『サ・ロ・ン・へ・行・っ・て・く・れ!』」みたいな感じで。美容業界と読者の間に立って、一般の人たちにもっと美容のことを知ってもらいたい。そのための翻訳家のつもりで仕事をしています。私の仕事は美容師さんのことを信頼できなければできない仕事です。いつも美容師さんにありがとうございますと思いながら仕事をしているのですが、その大好きな美容師さんと世の中の人たちとの橋渡しをもっとできたらいいなと思いますね」

 

-具体的には?

 

佐藤さん「たとえば、今までも美容師さんが発信するビジネス書を企画したりしているのですが、それ以外にも美容師さんが主人公になった漫画や映画など、さまざまなコンテンツが必要になったときに、呼ばれるようなライターでありたいと思っています」。

 


-漫画や映画ですか。これから楽しみですね。

 

佐藤さん「楽しそうですよね(笑)。私、フリーランスが向いていると思うし、ライターも向いているんだと思います。前職では、10円ハゲが7カ所もできたんですよ。だから、10円ハゲができたらやめようと思って(笑)。でも、今のところ、できる気配はないし、この仕事が向いているんだろうなと思って、続けるつもりでいます」

 

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1年365日、365回失敗したっていい

 

-最後に、今、美容師としてのスキルや方向性に悩んでいる方、美容師を目指している方にメッセージをお願いします。

 

佐藤さん「美容師という職業は、頑張ったことが裏切られない、必ずバッターボックスに立てる仕事だと思います。もちろん、生易しい、甘い業界ではないですが、努力した人を裏切らない、頑張った分だけ、いいことがある業界。


若い美容師さんによく、『失敗するのが怖い』とか、『もっと上手になったら撮影に呼んでください』と言われるのですが、1年に365日あるんだから、365回失敗するくらいな気持ちで大丈夫ですよ。どんどん失敗して、どんどん成長していってほしい。『失敗するのが怖い』と思っているその人生こそが、まさに大失敗(笑)」

 

-佐藤さんも失敗したことはありますか?

 

佐藤さん「もちろん、ありますよ。インタビューをさせていただいた原稿の書き直しをしてほしいと言われるようなことはしょっちゅうです。有名教授のロングインタビューで、音声がまったく録音できていなかったこともありましたし…。それでもまだライターを続けていられますから、多少の失敗くらい、大丈夫です(笑)。それにね、今、トップを走っている美容師さんだって、みなさん数えきれないほどの失敗をされています。たくさん失敗して、どんどん上手くなって、たくさんのお客さまに支持される美容師さんになってくださいね! 私ももっともっと美容業界の魅力を伝えられるように、頑張ります!」

 

 


美容師は、人の人生を変えることもできる素敵な職業。

「美容業界と読者の翻訳家になりたい」と語る佐藤さんの眼差しは、ときに優しく、そして、ときに厳しく。

全身から、美容師さんへの愛が満ち溢れていました。

 

プロフィール
ライター・エディター
佐藤 友美(さとう ゆみ)

テレビ制作会社でのアシスタントディレクターからヘアライターに転身。美容サイト「サンドリヨン」の編集長を経て、現在は、40代からのヘアスタイル&ヘアケア情報サイト「ユニークピース」編集長をつとめる。ヘアカタログ業界を変えたと言われる「カットだけで変身シリーズ(主婦の友社)」、「ガールズ★ヘアBOOK(ネコパブリッシング)」など、大ヒット企画も多数。近年は、書籍の企画やインタビュアー、編集としても活躍している。著作に「フォトシュートレッスン」(髪書房)、共著に「美容師が知っておきたい50の数字」(女性モード社)など。全国でのセミナーや講演は年に60〜80回ほど。

(取材/文 池山 章子 撮影/菊池 麻美)

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