「好きを貫くだけでいいの?」クリエイティブの本質とは?  kakimoto arms小林知弘、in chealsea照屋寛倖、utuwa黒須光雄、li高木貴雄とLECO内田聡一郎の白熱議論-soucutsの庭 Vol.5-

結果が出なくても、コンテストに出続ける理由

 

 

内田:僕らは、報われたじゃないですか。別にJHAが全てというわけじゃないけれど、一つの大きな評価をいただけたことで、「もっと頑張ろう」って思えた。で、2人はまだないよね。他のコンテストでは獲ってると思うけど。

 

黒須高木:ないです!

 

内田:ないの!? じゃあ、なんで今日ここにいるの?(笑)

 

黒須高木:チャレンジャー代表です(笑)。

 

内田:でも逆に、なんでそんなに出続けられるの? 高木も今年、id(ルベル主催のコンテスト)の決勝まで行ったじゃん。「まだ出るんだ!」って思ったもん(笑)。もう、いい加減やめようってならない?

 

高木:僕、準グランプリは何回か獲ってるんですよ。“ミスター準グランプリ”なんで(笑)。でも、やっぱりグランプリを獲らないと終われないんですよね。なんかもう、中毒性があるというか。

 

内田:一時期、出てなかったのは?

 

 

高木:お店をオープンするタイミングだったので、物理的に難しくて。でも、その間もうずうずしてました。

 

内田:黒須くんはどう?

 

黒須:僕は準グランプリすら獲ってないのでアレなんですけど(笑)。でも、THA(TOKYO HAIRDRESSING AWARDS /ガモウ主催のコンテスト)ではデザイナー賞をいただいたことがあって。デザイナー賞は結構いただいてるんですよ。ただ、優勝は本当に一回もないですね。なんで出続けているのかって、難しいんですけど……。最初から一貫してあるのは、「自分が好きなデザイン」や「自分がかっこいいと思うもの」を表現したいっていう気持ちなんです。その結果として、あわよくば評価されたら嬉しいな、みたいな。

だから、グランプリを獲るために、自分の表現を変えたいとは正直あまり思っていなくて。もちろん、「グランプリを獲りたい」っていう気持ちとの葛藤はありますけどね。でも、自分の好きなものを貫きながら、「それ、いいよね」って言ってもらえるようになりたい。そのために、ずっとチャレンジし続けているんだと思います。

 

 

内田:実際、僕も含めて“挑戦し続けている側”として、今年もみんな「JHA頑張ろう」っていうモードだと思うんですよ。ここにいるみなさんって、まさにクリエイティブの最前線にいる人たちじゃないですか。だからこそ、一番聞きたいことがあって。

よく、「クリエイティブは自分のエゴでいい」、「誰かの評価を気にせず、自分の好きなものを突き詰めればいい」っていう話、あると思うんですよ。でも俺、それって結構“美談”でもあると思っていて。

やっぱり、結果が出ないと報われないじゃないですか。だから実際には、「結果が出やすいシチュエーションをつくる」とか、「評価されやすい見せ方をする」とか、そういう戦略も絶対あるわけで。その中で、“自分らしさ”と“勝ちに行くこと”のバランスを、みなさんがどれくらいの感覚でやっているのかを聞きたいんです。かなりリアルな話ですけど。

 

小林さんも、12年間挑戦し続けてきて、「いよいよ今年こそ本当に獲りたい」っていう思いは強かったと思うんですよ。実際、選ばれそうなことをした実感はあります?

 

小林:うーん……“獲りに行く”っていう感覚は、あまりないんですよね。ただ、業界誌の撮影って難しくて。企画テーマもあるし、本当ならもっと自由に作品撮りをしたい気持ちもある。でも、時間にも限りがあるじゃないですか。だから、その限られた条件の中で、「求められている企画」と「自分らしさ」をどう重ねるか、みたいなことはすごく考えますね。そもそも、自分らしさがあるからこそ、その企画を任せてもらえている部分もあるとは思いますけど。

だから、審査に寄せて“獲りに行く”というよりは、そのときの自分の気分や感覚を、どう形にするかっていう感覚のほうが近いです。僕は。

 

内田:俺はね、めちゃくちゃ狙ってます。正直、「自分の好きなものを作っている」って感覚は半分くらいかもしれない。もちろん最終的には自分が好きなものになるし、モデル選びとかシチュエーションも、自分が惹かれるものではあるんですけど。でも、50%くらいは“勝ちに行ってる”感覚ですね。

 

照屋:僕も狙ってます! めちゃくちゃ狙ってます(笑)。特にJHAは、かなり割り切ってますね。

 

内田:ですよね。本当はもっと、引きで自然光で撮りたいタイプじゃないですか。

 

照屋:そうそう。本当は、もっと引きでファッションも入れて、ヘアだけじゃなく“女性像全体”で見せたいんですよ。でも、そこを割り切らないとJHAには入れないって気づいた瞬間があって。僕、他のコンテストでは入るのに、JHAだけ全然通らなかったんですよ。

なんでだろうって考えたときに、ヘッドショットで、この髪のディテールをしっかり見せる作品を作らないとダメなんだって気づいて。そこからですね。結果が変わり始めたのは。

 

内田:実際、グランプリを獲ったものも、かなり狙って作った?

 

照屋:もう、めちゃくちゃ狙いましたよ。業界誌の依頼が来たときも、「これはJHAを意識して撮ろう」とか、「ヘッドショットで見せよう」とか、かなり考えていました。もちろん、自分が好きなテイストの中でやってはいるんですけどね。

 

>クリエイティブは、エゴでいいのか

 

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