【韓国人美容師チェズ<前編>】ボクサーの夢破れ美容師へ。韓国美容塾〜兵役〜来日〜山野美容芸術短期大学〜原宿有名サロンでアシスタント。韓流ドラマさながらの紆余曲折ドラマチック人生

 

#3 超有名サロンに勤務。怒られまくる日々

 

X:まるで映画のような経歴ですね。卒業後は、そのまま都内のサロンに就職したんですよね。実はそのサロンの名前を聞いた時、信じられなかったです。あまりにも有名なサロンですし、最難関ですよ。

 

チェズ:あんなスーパースタイリストだらけの有名店に、自分でもよく入れたなと思います(笑)。そもそも周りからは、就職できないだろうと言われていました。カリスマ美容師が、カタコトの日本語の外国人をわざわざ雇うわけがない、と。でも内定が出て、就労VISAも取れて、学校がひっくりかえるような大騒動でした。

 

 

実際のところ、そのサロンには2年くらい在籍していたんですけど、怒られた記憶しかないですね。ですがたくさんの良い教えと気づきがありました。あの頃は、まだこれほど日本語が理解できていなかったので、指示を受けても何を言ってるのかわからなかったんです。お客さん商売ですから、外国人だから仕方ないよね、という同情は一切ない。毎日怒られていました。有名店で働いている時も、カツラを作るイメージは持ち続けていました。スーパープレイヤーだらけのサロンですけど、出産して髪が抜けたお客さまがもう来なくなったり。薄毛の男性客が来なくなったり。美容師でも限界があるんだなと再認識しました。

 

その後、代官山のサロンに転職し、そこでスタイリストになりました。その頃は友達も家族も日本にいなくて。名刺を持って客ハントして、年300人新規を連れてきて、その中の150人くらいが顧客として残って、そこから紹介などで結果的には400人くらいに増やしていきました。そうやって経済的な基盤ができたタイミングで、表参道に移ってフリーランスに転向し、同時にカツラ制作に向けて準備を始めたんです。

 

チェズさん自ら頭頂部を剃って、カツラの使用感を確認

 

まずカツラを作る工場探しで苦戦しました。美容メーカーさんも知らない。エクステメーカーに聞いても分からない。カツラの工場が探せないんです。なんとか作ってくれる工場を見つけたら、自分の頭頂部を剃って、2年間、毎日カツラを被って生活してみました。プールへ行ったり、サウナへ行ったり、ジェットコースターに乗ったり。自分で機能性を感じて、どれくらい見た目が自然なのか、まず自分でカツラをかぶることで検証していきました。これまでのカツラって、黒光りして、モコッとして、違和感があるというイメージです。そのイメージを覆す新しいカツラを作りたくて、メイクリアルを立ち上げました。その人に合わせたカットをして、見た目と機能性と耐久性のバランスを見ながら、オーダーメイドでデザインしていくんです。僕、行動力しかないんです。考えないで動いてしまう猪みたいなところがあるんです。壁があるよと言われても、壁にぶつかってしまう。突き進んで今に至っています。

 

チェズさん提供写真。お父様のヘアスタイル変遷

 

「父は、かれこれカツラ使用歴35年。昔は好きな髪型ができず、夏は暑く、行動も制限されるカツラに不自由を強いられていました。でも今ではすっかり弊社のカツラMake Realの愛用者です」

 

 

 

後編に続く。

 

プロフィール
Chez(チェズ)

美現師®︎/メイクリアル代表/韓国人美容師

韓国出身。韓国での美容師経験を経て、山野美容芸術短期大学へ留学。卒業後、東京・原宿の有名サロンに就職する。その後、1店舗を経てフリーランス美容師として独立し、カツラ制作をスタート。2018年から法人化し、2019年に東京・青山に店舗兼アトリエとしてMake Realメイクリアルをオープン。美容師経験を活かし、限界まで地毛に近づけるオーダーメイドのカツラを制作。これまで4000人近くの顧客を担当。自ら「美現師®︎」を名乗り、YouTubeやTikTokでも精力的に発信中。


Youtube @MakexReal
TikTok https://www.tiktok.com/@makexreal?_t=8k1oGkq74dz&_r=1
Instagram makexreal

 

 

(文/リクエストQJ   撮影/宮崎洋)

 

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