「普通って誰が決めるの?」 クリエイションで唯一無二を貫く、QUQU浦さやか×niko hair氏川りの の頭の中−soucutsの庭Vol.8−

鏡のないサロン!?

 

 

:一番は、あれかも。鏡を全部取った。

 

氏川:え!?

 

内田:それね(笑)。美容室なのに、鏡が一枚もないっていうサロンにしたんですよ。

 

:「誰もやったことないことをやりたい症候群」で、「みんながやってないことを、あえてやりたい症候群」な時期だった、30代くらいの頃って。今は特にそんなことないんだけど。「美容室に鏡がないところってないよね。じゃあ取ろう!」って(笑)。その頃から一緒に働いている楽人(QUQU/スタイリスト)ですら、「いや、さすがにそれは……」って止めたんです。でも、「ありえないことをやることから、全ては始まるんじゃん!」って説き伏せて(笑)。

それで、本当に鏡を全部取っ払って営業してみたら、常連のお客さまに「ないわー」って言われて。戻した、二日くらいで(笑)

 

内田:想像力が半端ないね。

 

:映画館みたいに椅子を並べて、お客さま全員が壁を向くレイアウトにして。

 

氏川:すごい光景!!(笑)

 

:当時は、スタッフ全員が白衣を着て、金髪っていうルールも決めていて。金髪に白衣で、鏡はない。みんな壁を向いて座ってる。「うわー、やべぇ!」って、私だけが気持ちよくなっちゃった(笑)。

 

内田:それでスタッフも洗脳されちゃってね(笑)。

 

:意外とみんな洗脳されるんですよ(笑)。逆に洗脳されないスタッフがいると、「なんで?」ってイライラしちゃう(笑)。今も、ちょっとそういうところはあるかもしれない。

 

内田:でも、お客さんはドン引きだったっていう(笑)。

 

:そうそう(笑)。

 

内田:あと、トイレが真っ黄色だったりね。

 

:便器以外、全部黄色(笑)。でも、あれは今でもそんなに悪いとは思ってない。

 

氏川:私、浦さんのアシスタント時代のエピソードですごく好きなのがあるんです。全身真っ赤の服でお店に行ったら怒られて、次の日は全身黄色で行ったらまた怒られて、「そういう格好はダメ!」って(笑)。

 

:そのあと、青までいったからね(笑)。

 

内田:それ、いつ頃の話?

 

:アシスタント時代。

 

内田:じゃあ、その頃から片鱗はあったんだ。

 

シノラーだった浦さんと氏川さん

 

 

:うん。原宿系の生き残りみたいな感じだった。元々シノラーだからね、私。

 

氏川:同じくです!

 

:えー!やばーい!だから、根本は一緒なんだよね!

 

氏川:田舎だからかわいい服もなくて、作ったりしてました。シノラーだから(笑)

 

内田:今の話聞いてると、2人とも今こうなるっていう伏線はあったってことなんだね。ちなみに、シノラーになったきっかけは覚えてる?長崎の田舎で。

 

:あの頃って、アムラーかシノラーか、みたいな二極化だったよね。

 

内田:そっか、確かにね。ギャルか個性派か、みたいな。

 

:そうそう。『Zipper』を読むか、『egg』を読むか、みたいな。

 

内田:高校時代は、いわゆる流行に乗るタイプだったの?

 

氏川:私、坊主でした。高校の頃。

 

内田:え!!

 

氏川:服はギャルだったんですよ。ルーズソックスに長いカーディガン着て。で、頭は坊主。

 

:高校生のそれはレベルが高い…。

 

内田:え、それはやりたくてやってたの?

 

氏川:いや(笑)。夏休みの間にブリーチを4回して、自分でパーマをかけたら髪の毛が溶けちゃって…。黒く戻すのも面倒で、坊主にしちゃいました。

 

内田:ちょっと変わってるね(笑)

 

:私よりも全然変わってる(笑)

 

内田:浦さんはどうでした?

 

:校則厳しかったし、私は校則違反もしない人だから。今も昔も、不良が嫌いだし、苦手なので。結構真面目。

 

内田:いわゆる普通の高校生だったんですか?

 

:うーん。前髪は短かったけど。鈴木蘭々に憧れてたから。前髪短くて、マッシュルーム。

 

氏川:規則を守って、自分らしさを出す、みたいな?

 

:そう。私、ルール好きなの。

 

氏川:わかります。

 

:枠の中で、その枠をどうしてやろうか、みたいなのが好きなの。

 

内田:フリーすぎると逆に嫌なんだ。

 

:フリーだと、なんでもない。宇宙だもんね、それって。私、宇宙好きじゃないから。

 

内田:宇宙…。みんな「?」ってなってると思うよ(笑)

 

氏川:わかります、わかります。

 

内田:あ、わかるんだ…。

 

氏川:規則があるから、その中で誰も思いつかないようなことを考えたいんですよね。私の坊主も校則違反ではないから、怒られなかったし。

 

:そうだね、そうだね。

 

できれば目立ちたくない2人

 

 

内田:僕は、人と比べることで自分の個性って見えてくると思うんですよ。だから競争するのも好きだし、比べられることも嫌じゃない。

 

でも、お二人は「比べられるのが嫌い」って言っていましたよね。今はもう、そういうこと自体考えないんですか? 自分が個性的だという認識もない?

 

氏川:好きになったものが、周りから見たら個性的だった、というだけで。だから、自分では派手だとも思っていないし。

 

:思ってないの?

 

氏川:思ってないです(笑)。ただ好きなものを選んでいるだけで、人に見られるのとか嫌だし、見ないでって思うし。目立ちたくもないです。

 

内田:思ってるんだね(笑)。それ、浦さんもよく言うよね。なるべく目立ちたくないって。一番目立ってるけど、残念ながら…。

 

:だからねえ、これは矛盾ですね。

 

内田:なんですか、この矛盾は。

 

:多分ね、自分のことが大好きなの。自己愛がすごいかも。私はね。全部自分の思った通りになってほしい。結構やばいな…(笑)

 

内田:でも2人は共通して、自信があるタイプには見えないじゃないですか。自信はないけど自己愛は強くて、自分の思い通りになってほしいわけでしょ?

 

 

:私はね(笑)

 

氏川:いや、私も同じように自由でいたいな、とはすごく思います。自由でいたい気持ちが強いから、そのためにはコンテストに出て勝つしかないなと。比べられるのは嫌だけど。私がやっていることは、全部「自由になるため」なんです。だから自己愛という意味では、自分の思いや、自分がやりたいことを大切にしたい気持ちは、ずっと持っていると思います。

 

内田:りのちゃんは、一方で「成り上がりたい」という気持ちもあるように僕は感じるんですけど、それはどうですか?

 

氏川:成り上がりたいというより、お世話になっている人たちを喜ばせたいんです。

 

コンテストもそうですし、例えば着付けを教えてくださった先生がいたら、その先生のために結果を出したい。結果が仕事や売上につながって、「あの子に着付けを教えたのは私なんだよ」って、自慢してもらえたらうれしいなって思うんです。いつも応援してくれたり、自由にやらせてくれたりする人たちに、結果で恩返しがしたい。自慢に思ってもらいたいんです、自分のことを。

 

内田:逆に見ていて思うんだけど、ワーカホリックな一面もあるじゃないですか。仕事が大好きで、スケジュールが埋まっているほどアドレナリンが出るタイプというか。俺もそうなんだけど、忙しいほうが満たされる感覚ってある?

 

氏川:私は、「ありがたいな」って思うんです。この状態がずっと続くとは思っていなくて、今は求めてもらえている時期なんだな、世の中の役に立てている時期なんだなって思っているので。だから、求めてもらえることがすごくうれしいんです。外でのお仕事もそうですし、サロンワークもそう。今は指名のお客さましか担当していないので、毎日、自分のことを好きで来てくださる方ばかりなんですよ。朝から晩まで、自分のことを好きでいてくれる人たちに会える。それって私にとっては疲れることではなくて、むしろエネルギーが湧いてくることなんです。セミナーも同じで、自分に興味を持って来てくださる方ばかりですよね。だから私は、忙しいことが好きというより、求めてもらえていることが嬉しいんです。

 

内田:求められて、愛されている感覚が嬉しいから、それをたくさんやることで満たされているってことか。そこはちょっと浦さん、違うんじゃない?

 

:違うかもね。ないかも、その感覚。私は仕事が詰まっていたら結構無理…。私、単細胞だからね。一つのことを一つずつしかできなくて。多分、毎日予定がぎっしり入っていると、どれかが中途半端になっちゃう。不器用なの。よく言えば完璧主義なのかもしれないけど、あんまり良くないものを作ったりすると、消したくなっちゃうから。もちろん、自分のキャパの中で回せる量なら、予定が埋まっていても全然いいんだけど。キャパオーバーになることが、自分にとっては一番ストレス。そういうことも、仕事をしながら少しずつわかってきて。今は、自分にとって一番ちょうどいいバランスで働けている気がする。

 

内田:二人ともオリジナリティのある作品をつくる印象がある。ただ、浦さんは時間をかけて納得いくまでつくり込みたいタイプ。一方で、りのちゃんはある程度スピード感を持って、量もこなしながらアウトプットしていくタイプに見えるんです。もちろん今の仕事量がそうさせてる部分もあると思うんだけど、「もっとじっくりつくりたいな」と思うことはない?

 

 

氏川:ありますけど、お願いされた仕事って、自分にはまだできないこともあるじゃないですか。そういう時でも、とりあえず「やります」って言うんです(笑)。そして、その日までにできるようになる。そうすると、自分の中で「できること」が一つ増えているんですよね。それを繰り返していくと、筋トレみたいに、少しずつ筋肉がついていく感覚なんです。20代の頃だったら、今みたいな生活は絶対できなかったと思います。でも今は、その積み重ねでできるようになった。だから、「これを乗り越えたら、また成長できるな」って思うと、ちょっとワクワクするんです。忙しいこと自体が好きというより、その先で成長している自分を見るのが面白いんですよね。

 

内田:成り上がりたいというより、成長欲が強いんだね。

 

氏川:そうかもしれないです。知らないことがあるのも嫌だし、できないことがあるのも嫌。だから、いろんなことに手を出すので、中途半端になることもあるんですけど(笑)。でも、しつこいのは自分の長所だと思っています。クリエイションもそうですけど、一度決めたら、とことんやるタイプなんです。

 

:筋肉っていうのはすごいよくわかる。トレーニングだよね。

 

内田:慣れも必要だと。

 

氏川:そうですね。面白がってます。

 

内田:でも浦さんはさ、毎週のようにヘアショーがあったら嫌でしょ?

 

:いや、これね。また矛盾したこと言っていい? 私、ヘアショーが本当に大好きなのね。サロンワークは別として、撮影とかセミナーとか、いろんなクリエイションの中でヘアショーが一番好きなの。だから無理しちゃうかも。そんなに毎週のように依頼は来ないからやらないけど、やったらもちろん苦しいんだけど。結局、好きなことは無理しちゃうかも。

 

内田:撮影は、そんなに好きじゃないの?

 

:いや、撮影も好きなんだけど、好き具合でいうと撮影の何倍もヘアショーが好き。

 

内田:りのちゃんは、ヘアショーは好きですか?

 

氏川:私も大好きです。全部プロデュースできるじゃないですか。自分の世界観を丸ごと表現できるので、めっちゃ面白い。

 

>作品作りは、💩!?

 

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